国公立大学に大量合格で豊多摩高校が完全復活
杉並区の豊多摩高校は、2013年度の大学進学実績の向上が著しく、受験関係者の注目を浴びている。
2013年度の国公立大学の合格者は35名にのぼる。これはデータのある近年の数字では最も多い。また難関私大も好調で、明治大は3年前と比較して5倍増。立教大は4倍、法政大は5倍など、MARCHに大量の合格者を出すようになってきた。
豊多摩高校では、伝統ある独創性を大切にした自由な校風を受け継ぎながらも、時代に合わせた学校改革をおこなってきた。
①東京学芸大学などの有名大学との高大提携による受講制度の実現
②夏休みには70講座以上の講習を開き、塾に頼らない進学対策
③差がつきやすい英語と数学は少人数の学力別授業編成で基礎~応用で細かな対応
④土曜日授業の実施や土曜日補習、土曜日自習教室の開校
偏差値上昇で都立3番手校に仲間入りを果たす
進学実績は大きく上昇して、悲願の都立3番手校への仲間入りとなった。都立3番手校は、大泉高校、富士高校、駒場高校、武蔵野北高校、三田高校などの上位進学校グループのこと。
入学者の偏差値が上がっているために、進学実績はまだまだ伸びることが予想される。国公立大に40~50人ぐらいが合格する難関進学校にまで復活することは確実だろう。中高一貫校ではないために、全員が一斉に学校生活をスタートできる良さも人気の理由となっている。
独創性を重んじる校風が一番の魅力… 谷川俊太郎や宮崎駿の後輩に
豊多摩人気が上がっているのは、難関大学への進学率が年々上がっているにもかかわらず、伝統ある校風を受け継いでいるからだ。
上位校は自由な校風が多いが、その中でも豊多摩高校は、独創性を大切にする特異な校風で知られている。
豊多摩では、生徒のことを“学友”と呼ぶ。行事を運営するのは、学友会と呼ばれる生徒による自主組織。伝統的に、生徒の自主性・主体性・独創性を、ほかのどんな自由な校風の学校よりも重んじる校風が根付いている。数年前、委員会組織の再編成を生徒の自発的提案によっておこなったことは有名な話だ。
そして、こうした他校に類を見たい独自の校風が、詩人、谷川俊太郎や、ジブリの宮崎駿などを生んだのは間違いない。豊多摩の生徒は、愛校心も人一倍強いのだ。
校風の継承と進学実績の躍進がマッチして、豊多摩高校は評判が大きく上がっている。2014年度も更なる人気を集めそうだ。