■2年目の東大推薦入試! 初めての出願校が急増!


2017年2月8日、東京大学で2回目となる推薦入試の合格者が発表されました。昨年度初めて導入された東大の推薦入試は、その高すぎるハードルから推薦受験を敬遠する学校が少なくありませんでした。今年はその反省から、全国の高校へ推薦入試への周知が進み、前年よりも多くの高校から出願がありました。

159校からあった出願のうち、105校が初めての出願だったと大学が公表しています。東大が推薦入試を導入した背景には、開成高校のような、一部の別学系私立中高一貫校が合格者数を占める状況を変えるためです。そのため、推薦入試は、全国の有力公立高校が有利な状況となっています。合格者数は1校につき男女各1人までと制限されているために、開成や筑駒、灘、桜蔭といった国私立中高一貫校には著しく不利な仕組みをとっています。

今年はどの高校から推薦入試の合格が出たのでしょうか。中高受験新報の独自取材のもと、2月9日現在での合格をまとめました。





■県立広島高校が合格2名の快挙! 全国の公立有力校が躍進


全合格者数71名のうち、2名の複数名合格の快挙を達成したのが、広島県にある県立広島高校です。男女合わせて2名合格の全国最多輩出校となりました。

県立広島高校は、広島県が威信を賭けて2004年に創立したモデル校で、公立中高一貫校です。広島県の公立高校は長年にわたって“平等”の名のもとに総合選抜制度や学区制が維持され、公立高校が衰退してしまい、中学受験が過熱化し、私立優位の状況が続いていました。

2000年代に入ると、公立高校の復権が著しくなり、中でも県立広島高校は、市立基町高校と共に公立復権の象徴的存在でした。県立広島高校は、スーパーグローバルハイスクールに指定され、修学旅行も海外へ行くなどのグローバル教育の先進校。今回の東大推薦2名合格によって、公立復権はますます勢いづきそうです。

合格校の内訳を見ると、北海道の名門、札幌北高校は2年連続の推薦合格を輩出。青森県の御三家の一角、八戸高校や、埼玉県の名門、浦和高校、福島の磐城高校といった全国の有力公立高校からの合格が目立ちます。また、福岡の久留米大附設高校と、東京の桜蔭高校が東大理科三類の推薦合格を出す快挙を達成しました。


■東京の多摩科学技術高校の合格が教育関係者に与える衝撃


今回の合格発表で最も大きな衝撃を与えているのが、小金井市の都立多摩科学技術高校から東大推薦合格が出たことです。

多摩科学技術高校は、2010年に開校した科学技術科の理系専門進学校。1年次から、バイオテクノロジー、ナノテクノロジーといった先端技術4領域の基礎を学び、2年次より専門分野の研究を各自が探究、大学の卒業論文さながらの卒業研究を行うという、従来の教育の既成概念を打ち破った21世紀型教育の実践校です。

学校の設備は、見学者が「大学並みだ」と驚愕するほどの一流の設備。充実した研究環境と21世紀型教育が評判を呼び、全都から優秀な受験生が殺到しています。

「東京で最も、新しい大学入試制度に強い進学校だ」と前々から評判でしたが、今回の東大推薦合格の輩出はそれを証明したといえます。

大学の関係者が「多摩科学技術高校の出身者は、実験や実習に対する知識や姿勢がずば抜けている」と称賛したといいます。このような教育を行う本物志向の学校が、脚光を浴びる時代になったということでしょう。



★現時点で判明している東大推薦合格を出した高校

●県立広島高校(2人)
●県立八戸高校
◎神戸大学附属高校
●札幌北高校
●県立浦和高校
●都立日比谷高校
◎筑波大学附属高校
〇桜蔭高校
●都立多摩科学技術高校
●前橋女子高校
〇真和高校(熊本)
〇早稲田高校
●土浦第一高校
●磐城高校(福島)
●金沢泉丘高校
〇久留米大学附設高校
〇昭和薬科大学附属高校