■2017年の東大合格者数が発表に! 躍進校&凋落校は!?


2017年3月10日、東京大学の一般入試の合格発表がありました。今年は、首位の開成高校が170名から減らして159名、麻布高校が94名から78名など、都内男子進学校の減少が目立ちました。一方で、共学校の躍進は目覚ましく、渋谷教育学園幕張高校が76名から78名で創立以来最多を更新。横浜翠嵐高校は20名から35名に増やし、神奈川の公立復権を印象付けました。

昨年不振だった県立浦和高校は22名から33名に増やし復活をアピール。ふたたび貫禄の埼玉県首位に復帰しました。以下、主要校の増減で目立った学校を見ていきましょう。

 

■日比谷高校、“オール高校受験組”で現役33名の衝撃


昨年、53名(現役27名)を輩出した都立日比谷高校(東京都)は、速報値で現役合格者数をさらに伸ばし33名を記録し、躍進が継続しています。

都立高校が1校だけで東京大学に現役で30名を超す合格者を出すのは、1973年の都立西高校以来、44年ぶりの快挙です。東大合格ランキングの上位が中高一貫校の独壇場となっている中で、全員が高校入試からの生徒で構成される日比谷高校が、現役で東大に合格するということは、全国の公立進学校の生徒たちにも勇気を与える結果となりそうです。

今春の高校入試は、開成高校を合格辞退して都立日比谷高校へ進学する生徒が過去最多を更新。さらに、東京学芸大学の附属3中学校(世田谷中、竹早中、小金井中)からの日比谷高校進学者も増えました。今や都内高校入試の最高峰の一つとして数えられる日比谷高校。来年度には待望の自校作成問題が復活して、完全独自の入試問題を採用することが可能になります。

2020年には新大学入試が控えていますが、日比谷高校は、新入試の試金石となる東大推薦入試にも2年連続で合格者を輩出。アメリカでのハーバード大学やマサチューセッツ工科大学への交流事業といったグローバル人材の育成にすでに目を向けていて、その対応は万全でしょう。「3年以内に東大70名オーバーは確実」と言われており、国内最強の共学進学校として、ますます存在感を高めそうです。


■東京学芸大学附属高校、47年ぶり50名割れのショック


盗撮騒動にいじめ問題が週刊誌やテレビ番組で大々的に報道され、散々な1年間であった東京学芸大学附属高校(東京都)は、東京大学合格者数も振るわない結果に。前年の57名を大きく下回り、43名の合格にとどまりました。

東京学芸大学附属高校は、都立高校が学校群制度を導入した1967年以降、その代替として急速に進学校化した学校です。全盛期には東大合格者が100名を超え、国内屈指の進学校にまで成長しました。

ところが、都立高校をはじめとする全国の公立高校の復権が進むと、優秀な生徒が東京学芸大学附属高校を敬遠するようになりました。東京学芸大学附属高校は国立大附属として教育実習生の実習校や研究校としての使命があり、カリキュラムの進度の極端な遅さも指摘されていました。80名、70名、50名と転落していき、ついに40名台に落ちました。東京学芸大学附属高校の東大合格者数が50名を切るのは、1970年の38名以来、47年ぶりになります。

■横浜翠嵐高校が歴史的躍進! 学芸大附属は辞退者続出


東京学芸大学附属高校が衰退していく中で、対照的な結果となったのが、県立横浜翠嵐高校(神奈川県)です。10年前、わずか4名だった東大合格者数は、学区撤廃や面倒見の良い進学校を目指した学校改革を経て急激に増加。2017年は、ついに35名にまで到達しました。神奈川の公立高校から東大に30名以上合格するのは、1992年の湘南高校(33名)以来、25年ぶりの快挙です。

神奈川県ではかつて、公立高校の低迷ぶりから、優秀な生徒が東京学芸大学附属高校へ大量流出していました。しかし、横浜翠嵐高校の復活によって流れが変わってきました。「学芸大附属よりも横浜翠嵐へ」という風潮が年々強いものになってきたのです。

昨年は、東京学芸大学附属高校がいじめ騒動で“自滅”し、今春の中3生は、東京学芸大学附属高校を辞退して横浜翠嵐高校へ進学する生徒が過去最多となりました。横浜翠嵐高校の新高1生は、過去最高の学力世代になることは確実です。3年後の東大合格者数は、「翠嵐45名、学芸大附属35名」くらいの差が生まれるでしょう。


■桐朋高校の落日-かつて東大60名合格も、今や現役合格1名だけ


「かつての難関進学校は、今や中堅校に―」90年代、東大に60名を合格させていた桐朋高校(東京)の面影は完全に消え失せてしまいました。今春の東大合格者数はたった8名。1桁台への転落は、東京オリンピックが開催された1964年以来、53年ぶりのこと。しかも、8名のうち現役合格者数がたった1名だけ。中堅校へと転落してしまいました。

2001年に早稲田実業が国分寺市に移転。2009年には在学生がいじめを苦に自殺し、大きな波紋を広げました。さらに、2000年代になると、都立高校の復権が進み、お隣のライバル校、都立国立高校のほうが大学合格実績で上回る実績を出すようになってきました。昨年度より中学入試で複数日の受験機会を設けるなど、小手先の制度改革を進めましたがもう手遅れ。東大合格者が0名にまで減ってもおかしくない状況に追い込まれています。

桐朋高校は、かつての桐蔭学園の凋落と同じように、日本で最も凋落してしまった高校のレッテルが貼られてしまいました。ボロボロになってしまった学校の立て直しは容易ではありません。ただ、桐朋在学生の保護者は「東大合格者数なんて気にしない。浪人しても問題なし、それが桐朋。」という態度を見せる人が多いのも事実。今後、桐朋高校は進学校の地位は脱落して、独自のポジションでやっていくのかもしれません。

 

■東大合格者数ランキングの一覧【速報値】


159人 開成
94人 灘
78人 麻布、渋谷幕張
62人 栄光学園
48人 海城
43人 都立日比谷、東京学芸大学附属
40人 ラサール
35人 西大和学園、横浜翠嵐
34人 筑波大学附属
32人 浅野
31人 武蔵(私立)
25人 都立西、渋谷渋谷
22人 愛光
21人 豊島岡女子、洛南
20人 土浦第一
19人 広島大附属福山
18人 県立千葉
17人 市川、都立国立、浜松北
16人 城北
15人 水戸第一
14人 桐蔭学園中等、四日市、堀川
13人 小石川中等
12人 札幌南、巣鴨
11人 大宮、白陵、宮崎西
10人 北嶺、前橋、都立戸山、本郷





9人 暁星、吉田(山梨)、青雲
8人 鴎友学園女子、世田谷学園、桐朋、逗子開成
7人 八戸、秋田、並木中等、船橋、サレジオ学院、一宮、刈谷、高田
6人 青山、國學院久我山、頌栄女子、武蔵(都立)、相模原中等、
海陽中等、広大附属、長崎西











5人 仙台第二、白百合学園、広尾学園、公文国際
4人 東邦大東邦、東京農大第一、桐光学園、修道、広島(県立)
3人 福島、開智、吉祥女子、高輪、富士見、湘南白百合、横浜雙葉
長岡、半田、岡山白陵
2人 安積、茗溪学園、昌平、昭和学院秀英、桜修館中等、晃華学園、
八王子東、南山、奈良学園登美ヶ丘、近大附属和歌山、慶進、丸亀
1人 太田、中央中等、芝浦工大柏、浦和明の星、開智未来、川越東、本庄東
共栄学園、共立女子、国分寺、品川女子学院、女子聖学院、成立学園
青稜、東京電機大、獨協、普連土学園、明大明治、山脇学園
日本女子大附属、横浜サイエンス、横浜女学院、片山学園
京都教育大附属、明星、淳心学院、雲雀丘学園、AICJ
ノートルダム清心、済美平成中等、弘学館