■横浜翠嵐高校が、あと数年で国内No.1の高校入試の東大合格輩出校に

 「3~4年以内に、横浜翠嵐高校が日本一の公立進学校になることが確実な情勢に―」

中高受験関係者の間では今、衝撃的なデータが広がっています。2017年度の高校入試において、神奈川県内の最優秀層がことごとく横浜翠嵐高校を進学先に選択。その結果、横浜翠嵐高校の学力レベルが急激に上昇して、あの高校入試の東大合格者数で日本一の日比谷高校に将来的に並びそうな勢いだというのです。

中高受験新報ではこれまでも、さまざまな高校の躍進や凋落の将来予測を、偏差値や入学者状況、関係者の情報、大手進学塾の動向などを総合的に分析していきました。これまでも、日比谷高校、多摩科学技術高校、桐朋高校、東京学芸大学附属高校といった進学校の躍進や凋落を初期段階より記事として取り上げ、全てを的中させてきたという自負があります。

かつて学区細分化の弊害によって凋落した神奈川県立高校は、いよいよ横浜翠嵐高校によって大々的復活を遂げようとしています。

■東京学芸大学附属高校を定員割れにした大量辞退者は横浜翠嵐へ


 「とんでもないことが起きています。学芸大附属の合格者がほとんど翠嵐や湘南に進学してしまいました。前代未聞ですよ。」


ある大手進学塾の塾長の驚きが、2017年の高校入試の異変を物語っています。つい数年前まで、神奈川県の最優秀層の進学先は東京学芸大学附属高校であると相場が決まっていたからです。

情報新報では、県内の協力者に依頼して、湘南ゼミナール、ステップ、臨海セミナー、サピックス、早稲田アカデミーといった主要大手進学塾のチラシをすべて収集して、進学先と併願校を徹底的に分析。

その結果判明したことは、東京学芸大学附属高校の目を疑うほどの不人気ぶりです。県内の東京学芸大学附属高校の合格者の半数以上が辞退して他校へ進学しています。

そして進学先は横浜翠嵐高校と湘南高校の2校が突出しています。湘南高校は地理的要因から昔から合格辞退が多いのですが、2017年度はさらに増えて過去最多です。そして何よりも、横浜翠嵐高校への進学者が激増しています。昨年と比べて異常なほど増えています。

さらに驚くのは、厚木高校、川和高校、横浜サイエンスフロンティア高校といった県内2番手クラスの進学校ですら、東京学芸大学附属高校の合格辞退による入学者が複数名出ているという事実です。これらの学校は東大合格者数でいえば数名程度。それでも「学芸大附属よりは・・・」というのが受験生の選択だったのです。


■東京学芸大学附属高校を定員割れにした大量辞退者は横浜翠嵐へ


 「学芸大附属の入学者が定員割れになって、先生たちが呆然としているそうです。」


“過去の栄光”に対するプライドがあったのでしょう。東京学芸大学附属高校は、これだけイジメ問題や盗撮騒動、管理強化による生徒の反発が騒がれて、第一志望者が激減しているという情報があったにもかかわらず、合格者数をあまり増やしませんでした。

その結果、東京学芸大学附属高校は数十人単位の定員割れという、前代未聞の事態を起こしたのです。もちろん、辞退者の大半は、横浜翠嵐高校や湘南高校を選択しています。

ところが、合格者にインタビューすると、意外な声が。

「イジメ問題も理由ですが、もっと大きな理由がいくつかありました。」

その理由を、これからじっくり説明していきましょう。

■「高校はどこでも同じ」は一生後悔 3年間の環境で最難関大に


ここで、2017年の最新の難関大学合格実績を見てみましょう。ただし、浪人を含む合格では学校の進学力は見えてきません。ここでは、学校の力がそのまま表れる現役合格者数で首都圏の最難関大を見てみます。


■横浜翠嵐高校

東大 21名  一橋大 11名  東京工業大 11名
早稲田大 119名  慶應義塾大 98名

■東京学芸大学附属高校

東大 24名  一橋大 6名  東京工業大 8名
早稲田大 73名  慶應義塾大 50名


確認しておきたいのは、この世代が高校入試の頃は、まだまだ「学芸大附属信仰」が神奈川に残っていて、最優秀層の多くは東京学芸大学附属高校に進学していたということです。

それにもかかわらず、3年後の合格状況では、横浜翠嵐高校と東京学芸大学附属高校はほぼ遜色がありません。東京大学は、かろうじて東京学芸大学附属高校が3名上回っていますが、それ以外のすべての最難関大は横浜翠嵐高校が上回っています。

「かつて、優秀な生徒はどこの高校へ進学しても結果は同じだと言われてきました。ところが、中高一貫校の隆盛でその状況は変わりました。高校入試から最難関大学へ進学するには、3年間で中高一貫校に追いつかなければなりません。中高一貫生に打ち勝つノウハウや環境のある学校とそうでない学校の差は大きく広がっています。」(予備校講師談)

横浜翠嵐高校は、高校3年間で難関中高一貫校に遜色のない結果を出すためにノウハウを蓄積してきました。こうした環境のある学校とそうでない学校では、確実に差がつくということです。

この合格実績は、学芸大学附属高校にまだ優秀な生徒が進学していた時代のもの。今年度の世代は、最優秀層が横浜翠嵐高校を選択しました。3年後の大学合格状況はどうなっているかは、皆さんが想像する通りです。

■翠嵐は日本に3校しかない“内進生がいないトップ進学校”


「内進生のいる環境よりも、全員一斉スタートの学校生活を好む中学生が増えている」

そんな声が受験関係者から多く聞かれます。東京学芸大学附属高校のいじめ事件が外進生を標的にした内進生によるものだったことも、この傾向に拍車をかけているのかもしれません。

スマホの発達によって、中学生が説明会では得られない学校のありのままの情報を知ることができるようになりました。近年はどの国私立高校も中高一貫教育を強化する一方で、高校入学の生徒をないがしろにする傾向にあり、「学校のカリキュラムが内進生中心になっていて辛い」「部活動や行事が内進生主導になっている」といった、中高一貫校への途中入学の弊害の声が多く聞かれるようになりました。

横浜翠嵐高校は、中高一貫校ではない、全員一斉に高校生活がスタートする貴重な進学校です。東大合格者数の高校ランキングで20位以内に入る中高一貫校ではない共学校は、横浜翠嵐高校をのぞけば、「高校入試東大合格日本一」で有名な日比谷高校(東京都)、旭丘高校(愛知県)の2校しかありません。

横浜翠嵐高校のように、内進生の存在を気にすることなく、1年次から部活動や行事、生徒会活動をどんどん主導することができて、共学校なのでときに恋愛もできる、学費が無償で東大を本気で目指せる進学校というのは日本には3校しかないのです。



■東京都内では、すでに日比谷高校が学芸大学附属を逆転している

ところで、「神奈川県の高校入試は、東京都を後追いしている」とよく言われます。つまり、東京都の状況を見れば、神奈川県の高校状況が3-4年後にどうなるかの予想ができるというものです。

東京都内では、今でこそ「東京学芸大学附属高校は都立日比谷高校の併願校」という認識が強いですが、数年前までは、まだまだ東京学芸大学附属高校のほうが力が強い時代がありました。2014年と2017年の東京大学の現役合格者数の推移を比較してみましょう。

 都立日比谷高校      東大 20名 → 33名
 東京学芸大学附属高校    東大 32名 → 24名

2017年は、ついに東京学芸大学附属高校の共学首位の座が陥落し、都立日比谷高校が共学No.1の座を奪還しました。都立日比谷高校と横浜翠嵐高校はまったく同じポジションです。この波がいよいよ神奈川にも押し寄せてきました。



■横浜翠嵐は東大50名オーバーへ 学芸大附属は30名も厳しい情勢

かつて東大に60名合格させていた桐朋高校が、生徒のいじめ自殺問題によって志願者が急落。「将来的には東大1ケタに転落する」と6年前に当記事で予測しましたが、2017年は東大現役合格者数がたった1名という崩壊的実績に。当記事の予想を上回るペースで凋落しています。

このように、大学合格実績は不祥事の影響を直撃し、一般の人々が想定する以上に下がります。そして、一度下がると再起不能な状態になってしまいます。今回の一件で、「東京学芸大学附属高校よりも横浜翠嵐高校」という序列が確定してしまった今、3年後の高校情勢を予想するのは困難ではありません。

横浜翠嵐高校に最難関大志向の生徒が集中した結果、東大合格者数は40名~50名オーバーも視野入ってくるでしょう。いよいよ日比谷高校と並び、全国の高校ランキングベスト10にランクインし、名実ともに国内指折りの超進学校になります。

東京学芸大学附属高校と横浜翠嵐高校の力関係の変化のみに注目しましたが、サピックスや早稲田アカデミーといった大手進学塾では開成高校の合格辞退による横浜翠嵐高校への進学者も増えていて、もはや横浜翠嵐高校は、東大志望層にとっての最優先進学先になっています。

東京学芸大学附属高校は、47年ぶりに東大合格者数が50名台を割ってしまいました。今年の世代は、まだまだ優秀な生徒が入学していた頃だったにもかかわらずです。今後2年間は50名前後をかろうじて維持できたとしても、大幅な定員割れとなった世代が卒業する3年後は、歴史的大凋落は免れません。東大合格者数は40名台を確実に割って、4年後には30名の維持も難しくなってくるでしょう。

4年後の東大合格者数が「翠嵐50名、学芸大附属25名」となったとき、高校受験では第二の波が起きるでしょう。中学受験にも波及しそうです。いずれにせよ、2018年受験は、こうした確実に起こる将来予測を踏まえた学校選択が必須となります。

■大手進学塾で変化も 信頼できる塾か否かを見極めるポイント

「入試説明会ではっきりと『学芸大附属はご存じのとおり、週刊誌報道などの影響もあって人気が下がり、合格者の約半数は翠嵐などへ進学しました。進学実績は近い将来、翠嵐と逆転する可能性が高まっています』との説明があり驚きました。正直に情報を明かして信頼できる塾だと思いました。」

神奈川県内のある大手進学塾では、説明会でしっかりと学芸大学附属高校の諸問題や人気低下についても触れられたといいます。いじめ問題の報道が大きかった点、翠嵐への進学者が急増した点、学芸大附属の入学者が定員割れを起こした点、3年後の進学実績の影響が確実な点がありのままに説明されたといいます。

「保護者も生徒たちも全員知っている情報なので、逆に説明がないと不信感を持つところでした。しっかりと説明があったので、周りの保護者からも好評でした。」今後、進学塾での進路相談や進学塾主催の高校説明会が多く開催されるでしょうが、この大手進学塾のように、ありのままの現況をしっかりと説明してくれる塾なのか、情報が隠されてしまう塾なのかは見極めが必要でしょう。いまだにこの変化を知らずに、積極的に学芸大学附属高校を進学先に勧めている塾があれば、最新の受験情報に無知であるか、上からの圧力によって情報統制されていると考えたほうが良いでしょう。

「進学先として学芸大学附属高校はもはや勧められなくなってしまったが、受験先としては、来年度も勧めるつもりでいる。というのも、学芸大学附属高校のようなハイレベルな入試問題で鍛えることは、将来の東大受験にもつながってくる。今後は、言い方は悪いが学芸大附属は踏み台のような存在になって、翠嵐、東大というルートを目指すのが最優秀層の標準になりそう。」(県内大手塾長談)

高校合格はあくまでも通過点。その意味では、東京学芸大学附属高校を受験する意義は今でもあると語る塾長も多くいました。来年度以降もそのような流れが加速するかもしれません。