中学受験・高校受験のタイムリーな情報を掲載

中高受験新報

未分類

新宿高校のすべて 2016

更新日:

 

新宿高校の大躍進が止まらない

日本屈指のターミナル、新宿駅南口より徒歩数分の場所に、新宿高校はある。高層ビルひしめく大都会の象徴のような新宿にあって、意外なほどに閑静で落ち着いた雰囲気があるのは、隣に新宿御苑が立地するからであろう。

真新しい校舎をくぐれば、部活動の練習に励む生徒たちと、校内の夏期講習に参加する生徒たちで熱気がむんむん。時は夏休み。にもかかわらず、ほとんどの生徒がいるのではと思うほど、校内は活気で溢れていた。

今この新宿高校が、とても熱いのだ。マスメディアから「東京都内で最も学習の面倒見が手厚い学校」とか「進学実績の伸びが都内一著しい学校」と紹介され、全国の学校関係者が公立・私立を問わず訪れるという。

f:id:jyukenkenkyu:20060627143610j:plain

↑ 04年完成の校舎はピカピカ。7階には屋上プールがある。


12年間で国立大現役合格5人⇒101人という「奇跡」

f:id:jyukenkenkyu:20160704000220j:plain

論より証拠だ。大学進学実績の推移を見てみたい。新宿高校では、浪人を含めない“現役”での大学進学実績にこだわっている。浪人合格は予備校の力と考えているからだ。(なお新宿高校は、浪人生への激励会や進路説明会を実施するなど、卒業した浪人生に対しても異例なほど手厚いようだ。)

12年前の2003年、新宿高校の国公立大学の合格者数は16人。うち現役合格はたったの5人であった。「新宿高校はもう終わった学校だ」教育関係者の間から見放され、低迷から、統廃合の対象になるという噂すらあった。日比谷高や戸山高、青山高などの近隣進学校が進学重点校に指定され学校改革を矢継ぎ早におこなうなか、「新宿高校はもう手遅れだ」という声が大多数であった。

2016年、国公立大学の現役合格は101人にのぼった。まさに激増。2003年と比較して20倍というハイペースな増加率だ。浪人を含めた国公立大合格は120名と、いよいよ当たり前に100人を超えるようになってきた。

中身の質も高い。10年前はほとんど受からなかった難関国立大の合格が増えてきた。2016年の東大4人のうち3人は現役合格だ。一橋大学と東京工業大学の合格者計6人もオール現役合格。さらに驚くべき事実は、多くが塾や予備校に通っていなかったということ。新宿高校の「塾いらず」の評判は、真実なのだ。

早稲田大、慶応義塾大、上智大の合格者数も週刊誌の「10年間で伸びた高校」において都内でトップの伸び率となった。国立大と難関私立大の現役合格に強い新宿高校の姿がよくわかる。

f:id:jyukenkenkyu:20130925060949j:plain

↑『サンデー毎日』や『AERA』など、今年も多くの雑誌で新宿高校の大躍進が伝えられた。

私立高校には真似できない、東京一の学習面倒見の秘密

「高校入試校としては、東京都内で一番学習の面倒見が良いのではないか」との評判が塾・予備校関係者からある新宿高校。その秘密を解くカギの一つが、同校の進学指導重視型単位制という仕組みだ。

単位制高校というと、教員数が多く、大学のように自由に好きな科目を履修するというイメージがあるが、新宿高校は他校よりも約10名多い教員数を利用して、徹底した学力別の少人数授業を敷いている。

例えば、数学ならば3つのレベル別の授業となる。上手いのは人数編成で、均一ではなく、切磋琢磨が必要な上位クラスは人数が多く、個別対応で丁寧な指導が必要な基礎クラスは人数が少ない。これは最も理想的な人数構成で、「できる生徒が切磋琢磨できる環境」と「苦手な生徒が質問しやすい環境」を同時に実現しているのだ。

学力別授業のクラスは固定ではなく、定期試験のたびに入れ替わり変動する。だから、新宿生は学習へのモチベーションを保ちやすい。クラス変動の緊張感があるからである。(もちろん、新宿高校にも1年間固定の学級がある。ご心配なく。)

これを数学や英語だけでなく、理科や国語の古典にまで導入する徹底ぶり。国語の授業にまで学力別少人数授業をおこなう学校はほとんど聞いたことがない。全国でも希有だろう。だから通常はおろそかにされがちな国語も新宿生は伸びる。

授業とはまた別に、“チーム東大”や“チーム東工大”などの志望校別のグループを作って、個々の志望校に合わせた対策もしている。同じ志望校を持つ者同士が、クラスの垣根を越えて目標に向かって勉強をする。こんなところにも、新宿高校のモチベーション向上の上手さを垣間見られる。

教員数が多くても、経験豊富な中堅~ベテランの正規の専任教師が大部分を占める。これは「都立」の強みと「進学指導特別推進校」の強みだ。都立高校は私立高校と比較して、専任教師の割合が非常に高い。多くの私立高校が、派手な宣伝とは裏腹に、アルバイト型の非正規講師に授業を頼っているのとは対照的だ。

しかも新宿高校は進学指導特別推進校に指定されており、主要教科の教師は、公募制による厳しい選抜を経て合格した者しか教壇には立てない。新宿高校には、新宿高校の教育に賛同する、難関大の進学指導に強いを持つ専任教師が集まってくる。公募制だから、やる気のない教師は最初から入らない。

今年、朝日新聞やNHKなどのメディアが相次いで、東京都内の私立高校の多くが、人件費削減のために、経験が浅く責任もない“アルバイト講師”に頼っており、教員の4割を超えるという実態が報道された。詳細は「私立高校と都立高校で悩んでいる皆さんへ 」の記事を参照してもらいたい。その点で新宿高校は、教員の質という点でかなり保証されているのだ。

主要全教科を学力別少人数授業でおない、担当は大部分が専任教師。おまけに公募制による教員選抜での質保証。財政の制約が強い私立高校が逆立ちしても勝てない環境が新宿高校にはあった。

f:id:jyukenkenkyu:20130925061444j:plain

↑高校レベルを超えた発展学習の教科があるのも魅力。ドイツ語、フランス語などの第二外国語から、電磁気演習・分子生物学・音楽基礎実習などの授業も。また東大、早稲田大、慶応義塾大などの教授が新宿高校に来校して模擬講義をおこなう授業も伝統校だからできるものだ。

伝統校だからこその学校文化ー90年続く臨海教室

 千葉県の館山。7月下旬から8月上旬にかけて、まだ新宿生になったばかりの初々しい1年生が続々と館山寮に到着する。目の前に広がる海。50名を超える新宿高OB・OGが指導員として出迎える。3泊4日の臨海教室

テレビもなければケータイもない。大都会の中の新宿高校とはあまりにも離れた環境。「よろしくお願いします」と海に一礼。OB・OG達の号令や仲間の生徒とのバディのかけ声が元気に響く。いよいよ海へ。目標は、遠く沖の島までの大遠泳。高らかと歌われる「六中健児の歌」は、府立六中時代の戦前より歌い継がれてきた新宿高校の“第二の校歌”だ。

新宿高校の歴史は、1921年創立の東京府立第六中学校にまでさかのぼる。戦前よりエリート校として名を馳せてきた名門中の名門だ。新宿高校を知るうえで、初代校長の阿部宗孝(あべ むねたか)への理解は不可欠であろう。彼は「質実剛健なる精神の涵養と、健全強壮なる身体の育成」と提唱し、徳育・体育に重きを置いた。また、「学校、同窓、生徒が一体となった大家族主義」を理想とし、いわゆる“六中大家族主義”の理念を持っていた。これらを具現化した行事こそが、今になお受け継がれる臨海教室なのだ。創立まもない1922年に第一回の臨海教室が開かれ、翌年には、現在の館山寮の元となる「塩見朝暘舎」が建築されている。

連綿と受け継がれてきた伝統行事は、名門の伝統校でしかなしえない貴重な体験だ。新宿高校には、古くから、「館山臨海教室を経て初めて新宿生になる」という言葉があるという。今年の夏も、320人の1年生が、新宿生になるための洗礼を受けたようだ。

f:id:jyukenkenkyu:20130925062115j:plain

↑臨海教室の初日。海に一礼!

戸山に負けてなるものか!? 白熱の伝統・戸山戦

 新宿高校のライバル校はどこか。青山高校?いやいや、戸山高校(新宿区)である。新宿高校とと戸山高校は歴史的に兄弟校である。戸山高校の前身である府立四中の一部を仮校舎として開校したのが新宿高校の始まりであるからだ。

そんな兄弟校同士で1956年に始まった新宿・戸山対抗戦は、両校の運動部が学校のプライドを賭けて対決し、総合成績を争う伝統行事。新宿生は「戸山戦」と呼び、戸山生は「新宿戦」と呼ぶ。これがとにかく盛り上がる。特に高3生は、「戸山戦で引退」という部活動もあるので、必然と気合が入る。運動部の対抗試合だけでなく、ダンス部やチアリーディング部の演技披露などもあり、お祭りのようだ。

なお一時期は、新宿高校の進学校としての低迷から、「勉強では戸山に敵わない」という思いを生徒が持っていたようだが、前述のように新宿高校の猛烈な大学進学実績の追い上げによって、戸山高校も戦々恐々としているようだ。

f:id:jyukenkenkyu:20130925062316j:plain

↑戸山戦でのチアリーディング部の披露。

都立トップ校と悩む価値あり 校風理解して新宿選択を

2016年は、新宿高校が進学指導重点校を目指すにあたって非常に大きな1年であった。東大、京大、東京工業大、一橋大と難関国立大で軒並み合格実績を伸ばし、ライバル校の戸山高校に十分対峙できる実力をつけた年となった。

新宿高校はどこまで進学実績が伸び続けるのだろうか。最新の2016年度入学生の平均偏差値資料によると、入学者の平均学力は過去最高で、現卒業世代と比較して+2程度偏差値が高い。大学の志望も、難関国立大学の志望が多く、最低でも早慶を志望しているレベルだという。

これは新宿高校が、明らかにもう一段上のレベルの進学校へ進化しようとしている過程と見て取れる。多くは語らないが、来年以後には、われわれが想定するよりさらに高い進学実績を残すのは確実であろう。

今の新宿高校は、都立トップ校(日比谷高・都立西高・都立国立高)と進学先で悩む価値は大いにある。特に、都立トップ校にギリギリのボーダーラインである中学生は、下手に都立トップ校入試に突っ込んで不合格となり、中高一貫生優遇の私立高校や、レベルの低い併願の私立高校に進学するよりも、余裕をもって新宿高校に進学したほうが、3年後の大学進学結果は良くなるという確信があるからだ。

確かにこの受験作戦は、「都立トップ校から逃げて合格有望な新宿高校を選んだ」という 、逃げの姿勢であると批判されるかもしれない。だが、現状の東京都内の高校状況を見るに、魅力ある私立高校はほぼすべて中高一貫校主体となっており、残った私立高校に魅力は少ない。それならば、高校入試では堅実な新宿高校を選択し、そこで3年間、最高の学校文化に触れながら行事に部活に、勉強に勤しみ、大学入試で攻めの姿勢をみせればいいであろう。学歴的にいえば、やはり勝負は大学入試。わざわざ高いリスクを高校入試で追う必要はない。

繰り返すが新宿高校には、都立トップ校レベルの学力を持つ生徒諸君が、大いに知的好奇心を刺激させられ、切磋琢磨し、東大などの最難関大に現役合格する環境が備わっているのだ。

新宿高校の学校文化、校風をしっかりと熟考したうえで、ぜひ受験生には最良の学校選択をしてもらいたいと切に願う。


-未分類

Copyright© 中高受験新報 , 2019 All Rights Reserved Powered by AFFINGER5.