中学受験・高校受験のタイムリーな情報を掲載

中高受験新報

中学受験 都立中高一貫校

都立武蔵高校附属中学校が完全中高一貫校化で躍進

更新日:

今や多摩の最高峰 都立武蔵はさらに躍進続く

「都立武蔵高校附属中学校が、桐朋中学を抜いて多摩地区の最難関中に」

多摩地区の進学校で最も躍進している都立武蔵高校附属中学校の躍進について見ていきたいと思います。

都立武蔵高校が中高一貫校化した当初、一部の受験関係者は「(男子御三家の)武蔵中と都立武蔵中を併願する人が出てきたら紛らわしくて面白いね。」と一笑に付した記憶があります。

あれから約10年が経ち、いったい誰が、都立武蔵高校附属中学校が、桐朋中学校を完全に追い抜き、多摩地区の中学受験で最難関の進学校になると予想したでしょうか。今や、多摩地区在住の中学受験生の最優秀層にとっての重要な志望校の一つとなり、開成中をはじめとする御三家中との併願も目立ちます。

都立武蔵高校附属中学校の何が凄いのか、未来はどうなるのかについて考えたいと思います。

■小石川に次ぎ東大2桁達成 少数精鋭先取りカリキュラムに強み

都立武蔵高校・附属中学校は、小石川中等教育学校と共に都立中高一貫校の最難関の一つとして数えられ、順調に大学合格実績を伸ばしてきました。

2016年には、東京大学に2桁の11名合格を達成しています。東大に2桁合格を出すのは小石川に次いで2校目。2019年度は、文系最難関の一橋大に2桁の合格を出し、東大や京大、東工大、国立医学部にも安定して合格を出し、絶好調の状態が続いているといえます。

2019年度の大学合格実績を見てみましょう。なお、この数字は中高一貫生120名のみの実績です。

●都立武蔵高校(中高一貫生120名の実績)
東京大8名 京都大3名 一橋大13名 東京工業大 6名 国立医学部6名

●都立武蔵高校(通常規模の9クラス分の高校相当に換算)
東京大24名 京都大9名 一橋大39名 東京工業大18名 国立医学部18名

都立武蔵の大学進学実績の凄みを理解するには、通常期規模の高校と同じ人数で換算した数字を見れば分かるでしょう。都立武蔵高校の上記実績は、中高一貫生120名のものです。これを、3倍して通常規模校の数字に直すと、多摩地区ではライバル不在のトップ進学校であることが理解できるかと思います。東大合格数も素晴らしいですが、国立医学部への強さも注目したいところ。「多摩地区から中学受験で東大や医学部を狙うなら、最上位層が集う都立武蔵」という選択になります。

強さの秘訣は、検定外教科書を使用して、私立中高一貫校を参考にして作られた先取り型のカリキュラムでしょう。先取り学習にはかなり積極的で、中学から高校内容にどんどん突入します。高校入学者とは進路が異なるため、高校1年次には別クラス体制となり、高校2年次に合流となります。

 

■桐朋中学校VS都立武蔵中学校 → 都立武蔵の圧勝

多摩地区の私立中学は低迷が続いていますが、中堅上位の桐朋高校が、一応の最も実績を出している私立と言えるでしょう。同じ生徒数規模の換算で比較すると、東大や一橋大、東工大などの数値で圧勝していることが分かります。

●都立武蔵高校(通常規模の高校相当に換算)
東京大24名 京都大9名 一橋大39名 東京工業大18名 国立医学部18名

●桐朋高校
東京大11名 京都大10名 一橋大9名 東京工業大11名 国立医学部19名

注意したいのは、桐朋高校は女子生徒がいない男子校であるという点です。東大合格者は8割が男子生徒ですから、男子比率の高い学校ほど、大学進学実績が出やすくなるのは常識です。都立武蔵高校は女子が半数を占める共学校。ということは、実際には数字以上の差があると考えたほうが良いでしょう。

例えば、都内共学で最難関の小石川は、男子生徒のみの東大・京大・国立医学部の現役進学率が、今春は男子御三家の麻布と同じでした。「小石川と麻布の男子の超難関大現役進学率が同じ」というのは意外に思う人も多いのでは。共学校は数字のマジックで数字が低く見えがちです。

 

■なぜ都立武蔵は、開成・筑駒・灘と共に数学五輪で強さを発揮したか

国際数学オリンピックという、学術系の世界オリンピックの中でも最高峰といえるこの世界大会で、日本代表として、開成高校、灘高校、筑波大附属駒場高校、都立武蔵高校の4校の生徒が入賞したというニュースは、テレビや新聞でも報じられ記憶にある人も多いでしょう。国際地理オリンピックでも日本代表選手を輩出するなど、躍進が止まりません。

都立武蔵高校は、このような学術系の大会において顕著な実績を残していて、全国屈指の進学校に並ぶ入賞者を出しています。なぜ、このような実績を出すことができるのでしょうか。

理由は2つあります。まず、都立武蔵高校の教育や校風が大きいでしょう。学問横断型の新しいタイプの授業である地球学は武蔵独自の科目で、21世紀型学力を積極的に身に着けようと実践している学校です。学術系大会の出場に先生たちが積極的に支援しています。

また何よりも、桐朋中学校を追い抜いて、多摩地区で最難関の中学になったということも、最優秀層が都立武蔵高校附属中学校に集まる要因となっています。都立中高一貫校の中でも、小石川中と都立武蔵高附属中は、とびぬけた天才型の生徒がいます。こうした生徒達と同じ学校空間で学ぶことができるのは、他には代えがたい経験となるはずです。

■完全中高一貫校化が決定! 都立武蔵の教育に追い風

都立武蔵高校は、2022年度までに高校募集を停止して、中学募集を増やし完全中高一貫校としての道を歩むことを決定しました。

完全中高一貫校化による最大のメリットは、今まで以上に、6年型の体系的なカリキュラムを意識した学びができるようになることです。すでに検定外教科書の使用により、中学3年次には高校過程に突入していましたが、高校募集の停止により、今まで以上に先取りを意識した教育が可能になることになります。現小6世代はその恩恵を大きく受けますから、中学受験生にとっては喜ばしいことでしょう。最難関の小石川と共に、多摩地区で不動の最難関中学としての地位をしっかり固めそうです。

進学実績の効果だけでなく、都立武蔵の独自科目である地球学による21世紀型の学びの進化にも注目したいところ。完全中高一貫校になることで、6年型の一貫した地球学の学びを突き通すことができます。小石川が一貫した小石川フィロソフィによる探究型の学びを行い、大きな成果を挙げているように、都立武蔵の地球学も進化していくことでしょう。

 

■自由闊達な都立武蔵こそ、多摩地区のトップ校にふさわしい

東の横綱、小石川中等教育学校の校風がアカデミックという言葉で形容されるならば、西の横綱、都立武蔵高校附属中学校の校風は自由闊達。生徒達は伸び伸びと自由を謳歌しています。

文化祭は学校の教員は運営に口を出さず、生徒による文実と呼ばれる実行委員会がすべてを取り仕切ります。なかでもウォーターボーイズ&ガールズは武蔵の文化祭の名物となっています。

さらに、忘れてはいけないのが音楽祭の盛り上がり。伝統行事である音楽祭は音楽祭実行委員会によってやはり生徒達による自主運営。こうした生徒主体の学校行事の運営による盛り上がりは、共学校の都立進学校ならではの魅力といえます。

ガチガチの厳しい校則で生徒を縛るやり方は、21世紀の今となっては時代錯誤です。都立武蔵高校・附属中学校のような自由闊達な校風の中で、今必要とされる21世紀型の能力が養われるでしょう。



-中学受験, 都立中高一貫校

Copyright© 中高受験新報 , 2021 All Rights Reserved Powered by AFFINGER5.