“地味”に驚く大学進学実績を叩きだす両国高校


“下町の名門校”が代名詞の都立両国高校の大学進学実績がじわじわと受験界で評価されているようだ。自由な校風が多い都立進学校のなかであって、両国高校は堅実な校風だ。戦前の府立三中時代から受け継がれる「自律自修」の校訓 は、自分を厳しく律すること、自ら進んで勉学に励むことをあらわしている。


この校訓がまさに両国高校を象徴している。乱れた服装や頭髪の生徒は見られず、人懐っこくてマジメな気質の生徒が多い。ハイレベルな教育環境と、古くからの「予備校いらず」と呼ばれる熱心な大学受験指導で、評判を不動のものにしつつある。


両国高校が大学進学実績で注目されたのは、2013年の有名国公立大学の現役進学率というあまり見慣れないデータだ。有名国公立大学とは、数ある国公立大の中でも入試難易度や就職実績の高い国公立16大(東京、京都、北海道、東北、名古屋、大阪、九州、東京工業、一橋大、筑波、埼玉、千葉、東京外語、東京農工、首都大学東京、横浜国立)を指す。


その「現役進学率」といことだから、予備校の実績である浪人の数は入らない。さらに、「数」ではなく「率」だから、生徒数の多いとか少ないに影響されない、真の高校の進学力をはかれるというわけだ。データをご覧いただきたい。



1 筑大駒場 47.9%
 2 聖光学院 41.6%
 3 桜蔭学園 40.5%
 4 開成高校 39.1%
 5 栄光学園 37.5%
 6 駒場東邦 32.4%
 7 渋谷幕張 31.5%
 8 女子学院 30.6%
 9 筑波大附 30.5%
 10 県立船橋 29.4%
 11 横浜翠嵐 29.3%
 12 県立千葉 27.4%
 13 都立両国 27.0% ★
 14 浅野高校 27.0%
 15 芝学園高 25.6%
 16 海城高校 25.3%
 17 都立国立 25.2%
 18 私立武蔵 25.0%
 19 都立西高 23.9%
 20 県立浦和 23.5%



両国高校は、 首都圏全体で13位という高い順位に位置している。その前後の高校には、千葉の最難関校である県立千葉高校や、神奈川公立トップの横浜翠嵐高校とほぼ互角。私立では浅野高校や海城高校を上回っている。


就職に強く学費の安いこれらの上位国立大学への進学に、両国高校が入口の偏差値比べて、ずば抜けた強さをもっていることがおわかりいただけるだろう。


 


国公立大の現役進学率が都立No.1 元祖、面倒見進学校


両国高校の大学進学実績の強さが表れるのはそれだけではない。国公立大学への現役進学率が、あの都立日比谷高、都立西高、都立国立高という都立トップ校を抜いて都立でトップなのだ。


数で数えれば、両国高校よりも進学数の多い学校はあるが、1学年の学校規模の大きくない両国高校は、このような“率”で計算すると急浮上してくる。普段はどうしても我々は数を意識して比べがちだ。冷静に“率”で比較した者だけが、両国高校の堅実すぎる進学実績に気付くことができるのだ。