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SAPIX中学部、都立トップ校重視に大転換の衝撃

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■都立トップ校重視へ! SAPIX中学部の歴史的大転換

都内に15校舎を展開する大手進学塾、SAPIX中学部が、高校入試戦略を大転換させて注目を集めています。都立トップ校進学重視に舵を切ったのです。

SAPIX中学部は1990年代以降、難関国私立高校志望者向けのハイレベルな進学塾としてのブランドを確立。開成高校、筑波大学附属駒場高校、東京学芸大学附属高校といった難関校の多数の進学者を出してきました。

ところが、国私立高校の高校募集は減る一方で、2000年に武蔵高校が高校募集を停止、2011年には海城高校が募集停止。さらに女子校の豊島岡女子学園高校も募集人数を減らし続けています。

また、高校募集を継続する私立中高一貫校は大学合格実績を悪化させる学校が続出。かつて高校入試の御三家の一つに数えられた桐朋高校は、都立躍進の煽りで低迷。巣鴨高校や城北高校も東大合格者数の減少が止まりません。

国立大附属高校の低迷はさらに顕著で、東京学芸大学附属高校は100名台だった東大合格者数が50名台にまで減少。今春は日比谷高校に東大合格率で逆転され、共学首位の座を譲りました。東京学芸大学附属高校は入学者の質の低下が止まらず、30名台程度まで今後下落することは避けられない情勢です。筑波大学附属高校に至っては、完全に都立トップ校の併願校レベルにまで下がってしまいました。

 

■開成高校の高校募集人気が大低迷 日比谷や西に人気奪われ

SAPIX中学部がかつて売りにしていた国私立高校の高校募集が全般的に低迷する中でも、開成高校だけは、一定の人気を保っていました。

ところが、その開成高校も2010年代に入ると、都立トップ校人気の煽りを受け低迷が顕著に。開成高校の高校募集は100名。そのうち、合格者数は繰り上げ合格を含め200名~250名を出す惨状です。

開成高校の合格者のうち、実際に入学する生徒の割合の方が低いという現実。かつての開成高校のブランド力から考えると、信じられないような入試状況です。

SAPIX中学部のような難関国私立高校を売りにする進学塾にとって、開成高校の入試低迷は致命的です。

 

■「日比谷を第一志望に、開成・国立附属を併願」に転換したSAPIX

SAPIX中学部の2016年度の合格体験記を閲覧しました。驚くべきは、日比谷高校、都立西高校進学者の併願校です。開成高校、東京学芸大学附属高校、筑波大学附属駒場高校といった最難関国私立高校ばかり並ぶのです。

例えば、日比谷高校合格者の男子は、半数が開成高校にも合格しています。昨今の都立トップ校人気と、開成高校の低迷を象徴するような進学状況です。

早稲田アカデミーでも、志望校別の「開成必勝」コースの在籍者が、実際には都立トップ校第一志望が多数派になりつつあるという話を聞きました。Z会進学教室でも、最上位のVコースのトップ層は、今年の中3では「日比谷が第一志望で、国立附属・開成が第二志望」がほとんどだと聞きました。

こうした高校入試の現状を踏まえて、SAPIX中学部も、転換に踏み切ったのでしょう。かつて「難関国私立高校第一志望の中学生向けの塾」であったのが、今は「都立トップ校第一志望、開成・国立第二志望の中学生向けの塾」に転換したのです。

 

■都立専門誌の刊行、都立トップ校予想問題集、日曜限定の「日比谷・西クラス」

SAPIX中学部が都立トップ校重視へと転換したことで、都立トップ校に関連した様々な取り組みが始まりました。

まずは、都立高校特集の冊子の作成。日比谷高校、都立西高校、都立国立高校、戸山高校、八王子東高校、立川高校、青山高校の7校をピックアップした情報誌が初めて配布されました。

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校長先生へのインタビュー、スクールカラーの比較、OB&OGインタビューなど、学校の魅力がたっぷりと伝わる情報誌です。SAPIX以外の生徒でも、校舎でもらうことができるそうなので、読んでみてはどうでしょうか。

 

東京都立高校入試予想問題集―都立トップ校に受かる!

 さらに、日曜日限定の「日比谷・西クラス」が新たに開設されました。一般生を対象に、無理なく日曜日に塾に通いながら都立トップ校対策をするクラスです。

このように、かつての国私立高校重視のイメージを払拭するほど、SAPIX中学部は都立トップ校対策に力を入れています。

 

 ■SAPIX中学部から都立トップ校を目指すメリット

 都立トップ校を目指すにあたって、進学塾選びはとても大切です。SAPIX中学部のほか、早稲田アカデミー、Z会進学教室、駿台中学部、河合塾Wings、市進学院、ena、臨海セミナーといった塾が選択肢に入るかと思います。その中から、SAPIX中学部を選ぶメリットは何でしょうか。

最大の魅力は、日比谷や西といった都立トップ校を目指しながら、併願校として筑駒、学芸大附属、開成といった国私立難関校も確保できる学力がつけられる点です。

都立トップ校を目指すということは、将来の大学入試で、東京大学、京都大学、国立医学部といった最難関国立大学を目指すということと同一です。高校入試の時点で、開成合格レベルの学力をつけておけば、大学入試での最難関大合格に向けての弾みをつけることができます。

都立トップ校を目指す中学生のみなさんが意識しなければならないのは、高校入試は通過点であって、本当の勝負は大学入試であるということ。都立トップ校に合格するためのミニマムな勉強ではいけません。高校内容までもどんどん踏み込んだ高度な勉強を、中学時代よりしていくべきなのです。

SAPIX中学部の都立トップ校志望者は、開成、国立大附属といった学校を第二志望として併願合格し、大学入試での弾みをつけようと考える仲間たちが大勢います。大学入試も意識した学力養成という意味で、SAPIX中学部は大きな魅力になるでしょう。

 

 ■国私立高校は、このままでは負のスパイラルが拡大する危機

「SAPIX中学部が都立トップ校重視に舵を切ったことは衝撃的。学力優秀層がますます国私立離れ、都立志向が加速しそうだ。」という声が教育関係者から多く聞かれました。

ご存知の通り、2016年の日比谷高校は東大53名、国立医学部36名と近年最高の実績を記録。中高一貫校ではなく、全員高校入試の学校でこれだけの実績を出せるというのは、高校受験生に夢や希望を与えたのではないかと思います。

都立トップ校人気がますます上昇するのは確実です。駿台模試によると、現中3生は、開成と学芸大附属の第一志望者が減少、第二志望が増加。その多くが日比谷や西に流れています。このことから、現中3生が大学入試に挑むころには、日比谷高校は東大に70~80名程度にまで増えると予想されています。

なぜ、国私立高校の人気がなくなってしまったのでしょうか。それは、あまりにも中高一貫校に力を入れすぎる学校側に問題があります。「中高一貫生のほうが大学合格実績が高い」という理由で、カリキュラムを中高一貫生主体に構築して、高入生に不利なシステムになっていることが第一の問題です。

さらに、学校生活全般の問題もあります。ある質問サイトで、桐朋高校を検討している中学生が「高入生が委員会活動などに参加しにくい雰囲気はありますか」という質問をしました。在校生の回答は、「委員会は入りづらいです。入学して最初の週に決めるので、高入生がクラスに馴染む前に内進生によって決まってしまいます。」というものでした。

在校生の正直な回答。中高一貫校への途中入学による問題の根源を象徴しているような気がします。部活動や学校行事、委員会活動、生徒会活動までも中高一貫生中心となる現実。これが変わらない限り、国私立高校の人気低迷は加速するばかりでしょう。

 

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