中学受験・高校受験のタイムリーな情報を掲載

中高受験新報

未分類

日比谷高校、開成高校を超える 2016年

投稿日:


■高校受験で日比谷高校が日本一になった2016年 

日比谷高校の復活がいよいよ本格化だ。2016年度、日比谷高校が東京大学に53名もの合格者を出し、全国の公立高校のトップとなり、都内共学校でNo.1の進学校に復権した。

一昨年に、46年ぶりに公立高校トップに復活。好調な年の翌年は数字を落とすことが多いが、日比谷は今年も進学実績を落とすことなく、全国に復活を鮮烈に印象付けた。

東京都内では、中高一貫教育が中心で、高校入試組は東大合格が難しいというのが通説だ。都内の私立中高一貫校でも、高校入試のある学校は大苦戦している。

桐朋高校(国立市)、城北高校(板橋区)、巣鴨高校(豊島区)といったかつての男子難関進学校は見る影もないほど実績が落ちた。あの開成高校(荒川区)でも、「中学入試組と高校入試組の差は年々に開いている」という。

国立大附属高校はさらに深刻だ。筑波大学附属高校、東京学芸大学附属高校といった、かつて100名ほどを出していた東大合格者数は減り続けている。

東京都内の高校入試組の生徒に限れば、日比谷高校、都立西高校、都立国立高校といった都立トップ校だけが東大の合格者数を伸ばし続け、私立高校の高校入学組、国立大附属高校の東大合格者数は減る一方だ。

「高校入試を経て東大・京大を目指すなら、日比谷などの都立トップ校一択。開成や国立大附属を選ぶ時代ではない」そんな声が進学塾関係者より聞こえる。

 

■学芸大附属高校を東大合格率で超えたインパクト

 最大のインパクトは、国立の東京学芸大学附属高校を完全に超えたということだ。日比谷高校は、卒業生320名のうち東大53名合格で、合格率が16.6%、東京学芸大学附属高校は、卒業生351名のうち東大57名合格で、合格率が16.2%である。

すでに都内の高校受験では、「日比谷高校が第一志望、東京学芸大学附属高校を第二志望」という受験生が多くなっていたが、今年の結果を受け、この流れが一気に加速する。

注目すべきは、2校の教育制度の違いだ。東京学芸大学附属高校は、三つの附属中学校を持つ変則的な中高一貫校体制であり、内進生が多いのに対して、日比谷高校は附属中学の内進生を一切持たない、完全な高校単独校。

中高一貫校ではない日比谷高校が、附属中学校を持つ東京学芸大学附属高校を東大合格率で超えたことは意義深い。高校受験からの生徒だけを集めても、3年間で切磋琢磨し鍛えれば、東大に十分合格できることを証明したことになる。

ちなみに、現役合格者数のみで絞ると、日比谷高校は東京学芸大学附属高校に対して、合格率においても、合格者数においても上回っている。3年間の指導の差が、現役進学実績の差となって如実に表れているといえる。

[※2016年7月追記] 現在、東京学芸大学附属高校で問題となっている盗撮事件、イジメ問題、行事削減、謹慎処分連発については別サイトの「東京学芸大学附属高校で盗撮&イジメ事件!謹慎者続出の異常事態」の記事などをご覧ください。当記事では扱いません。

■SAPIX・早稲アカの開成合格者が都立トップ校へ進学

 2015年~2016年の大手進学塾の合格者の声は衝撃的だ。SAPIXや早稲田アカデミーのチラシは、開成高校合格での、都立トップ校進学者だらけだったのだ。

SAPIXはウェブサイトでも合格者の声を一部掲載している。都立トップ校進学者の併願例を見てみよう。

 

①日比谷高校進学(お茶の水女子大学附属高校も合格)

 

②都立西高校進学(開成高校・城北高校も合格)

 

③都立西高校進学(東京学芸大学附属高校も合格)

 

都立トップ校進学者3名は、いずれも開成高校、国立大附属高校に合格している。

SAPIXでは、2016年度入試で、過去最多の人数が、開成高校や国立大附属高校を第二志望として“併願”で合格し、第一志望の都立トップ校へ進学したという。SAPIXの日比谷高校男子の進学者は、なんと2人に1人が開成高校の併願合格組。残りは国立大附属や早慶附属、渋谷幕張といった学校に併願合格している。優秀な高校受験の生徒は、都立トップ校を選ぶのが当たり前になってきている。

日比谷高校と開成高校の両方で合格者No.1の早稲田アカデミー。SAPIXと同じく、2016年度高校入試では、開成高校を合格して、日比谷高校へ進学した生徒が2桁出た。東大志向の強い生徒は、年々「開成より日比谷」の選択をするようになってきており、開成高校の併願校化が進んでいる。

 

■開成高校は、受かっても進学しない学校になってきた

 もちろん、開成高校の高校入試は、今でも最難関校としての難易度を保っており、簡単には合格できないブランド校だ。

ただ一方で、近年の開成高校合格者の入学率はものすごい勢いで下がり続けている。募集定員は100名。そのうち、繰り上げ合格者数を含めた合格者数は、なんと約250名。つまり、合格者のうち約150名は他校へ進学。開成高校合格者の入学率はたった40%に過ぎない。

失礼を承知で言えば、ここ数年の開成高校は、「受かっても進学しないブランド校」にまで成り下がっている。

こんだけ蹴られるのだから、開成高校の内部生や関係者から「高校入試を縮小しろ」という声が強まったり、「開成高校の新高(高校入試組)の進学実績がどんどん下がっている」と危惧する声が出るのも無理はない。近い将来、開成高校が高校募集を縮小、廃止するのは時間の問題かもしれない。

 

■受験生が望む高校単独校 “中高一貫の途中入学”は時代遅れ

 近年の高校受験生は、かなり賢く学校選択をするようになったと聞く。例えば、私立高校の高入生と中高一貫生の進学実績格差(東大に20名以上合格させる某私立高校の高入生の東大合格は0名)を、ほとんどの人が把握しているという。

今、受験生が望むのは、中高一貫校への途中入学ではない。内進生のいない、全員一斉スタートが可能な高校単独校だ。

東大などの最難関大への受験を将来希望する学力トップ層の生徒ほど、最近では中高一貫校への途中編入を嫌い、日比谷高校などの高校単独校を選ぶ傾向にある。

それはなぜか。一番大きいのは学校カリキュラムの問題だ。開成高校や筑波大学附属駒場高校といった中高一貫校は、6年間での一貫性のある特殊なカリキュラムを組んでいる。この種の学校に途中から入学すると、中学時代に受けてきたカリキュラムと互換せず、非常に苦労する。しかも学校側は、無理やり中高一貫カリキュラムに合わせようとするから、そこにロスが生じて、かえって大学受験で不利になってしまうのだ。対して日比谷高校は、高校受験からの入学を前提とした3年の周到なカリキュラムを組んでいる。どちらで学ぶかは、3年後の大学受験結果を大きく変えるほどの威力を持っているのだ。

中高一貫校では、部活動や行事も内進生が主導しがちになってしまう。高入生よりも“学校の先輩”である中高一貫の中学生と一緒に活動しなければならないのを嫌がる高校受験生が多いのは当然の心理だ。ところが、日比谷高校は高校単独校なので、逆に高校1年生からどんどん部活動や行事を主導することが求められる。1年生だからといって受け身ではダメで、どんどん学校の主役を任せられていく。日比谷高校では、高校受験組が学校の傍流には決してならない。入学したその日から、学校のメイン層として、学校を動かしていく。中高一貫校への途中入学では決して味わえないことだ。

さらに、筑波大学附属駒場高校の先生が数年前、中高一貫教育に関する報告書で漏らしたある発言が、高校受験生の間で広まり、それも中高一貫校途中入学離れに拍車をかけた。「高入生が溶け込めない違和感がある」という一言だ。筑駒の先生の発言は全体として、どうも高入生を、内進生の中だるみを防ぎ活性化させる“具材”として考えているようで、その点での効果は有効だが、デメリットとして、高入生が内進生と馴染めない例が少なからずあるという趣旨だ。

考えても見れば当然だろう。筑波大学附属駒場中学校という空間で濃密な3年間を過ごし結束した生徒たちに、少数派の高入生が全員馴染めるはずがない。中には、輪に入れない生徒も出てくる。中高一貫校の途中入学のリスクとして、当然のことなのだが、これを筑駒の先生が公言してしまったから大変だ。次年度以降、筑駒の合格辞退は増え、都立トップ校進学者が増えている。

かつて、都立高校が自由に選べず、進学実績で低迷していた時代は、それでもやむを得ず、学力トップ層たちは開成高校や筑波大学附属高校といった中高一貫校へ途中入学をしていった。

しかし、日比谷高校が復活した今、わざわざ中高一貫校へ途中入学することはなくなった。中高一貫校への途中入学は、時代遅れの産物となったのである。高校単独校が高校入試のトレンドであり、主役だ。

 

■現中3が高校卒業時には東大70名オーバにまで躍進確実

 昨年度の当記事で、「東大50名オーバーには復活確実の日比谷高校」とのタイトルで、日比谷高校は3年以内に東大合格者数が50名を超えることが確実だとお伝えした。

そして、あっさり2016年に東大53名合格を達成。いったい日比谷高校は、どこまで伸びるのだろうか。

現中3生が高校入試に挑む2017年度入試で確実なことは、開成高校や国立大附属高校の合格を担保したうえで、共学最難関となった日比谷高校にチャレンジすることが当たり前の時代になるということだ。従来まで、「日比谷か開成か」あるいは「日比谷か国立大附属か」で悩んでいた高校受験生が、ことごとく日比谷高校へ流れるようになる。

そうすると、日比谷高校は現中3が高校卒業するころには、東大70名オーバーにまでは確実に躍進する。いよいよ、筑駒、開成、灘、麻布らと対等に並ぶ日本最高峰の進学校になる。驚くべきは、唯一の共学校で、唯一の中高一貫校ではない高校単独校ということだ。

現在中学生の方々は、3年後には「東大70名オーバー」にまで進学実績が伸びることを前提に、学校選択をして構わない。

日比谷高校が快進撃を続けることは、「将来、東大・医学部を目指したい」と思っている全国の高校受験生に希望を与えることになる。高校受験の見直しが進むだろう。

一方で、中高一貫校における高入生への負のイメージがますます強まりそうだ。特に開成高校は上述の通り、高校募集で半数以上の合格者が日比谷や西などの他校へ逃げられしまう状況にあり、2017年度入試では、今まで以上の受験生が、「第一志望日比谷、第二志望開成」という併願をするようになる。

高校入学率の低迷、高入生の東大合格実績の低下は深刻となり、いよいよ同窓会や中学受験関係者などから、高校募集の見直し議論が本格化しそうだ。

数年前、海城高校が高校募集を突然停止して、高校受験関係者から「中高一貫優遇で、高校受験生をないがしろにしている」と非難された。同じような事態にならないことを祈るばかりだが……。


-未分類

Copyright© 中高受験新報 , 2020 All Rights Reserved Powered by AFFINGER5.