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大きく伸びた都立高校からの難関大学進学実績


「超難関大」の代名詞である東京大の合格者の総数が、都立高校全体で139名と過去20年で最高値に達したことは受験界の大きなニュースとなった。高校受験を経た私立高校への入学者から東大合格者が消えつつあるのとは対照的だ。


 


東大だけではなく、このところ、都立高校全体の難関大学の進学実績が大きく伸びている。最難関大学(東大・京大・一橋大・東京工業大・国立医学部)の合格数は多くの都立校で平成以後の最多記録を更新し、「高校入試から難関国立大を目指すには、一にも二にも都立の進学校」という評判が巷ではたちつつあるようだ。国公立大グループ、早慶上智グループ、MARCHグループでの伸びも著しい。


 


2013年度の大学進学実績の分析を経て、大学進学実績が伸びていて評判が良い、注目校を集めてみた。志望校選びの参考にされたい。


 


■日比谷高校


 ~医学部合格者数が大きく増加で高校入試校でTOPの実績~


2013年の日比谷高校も最難関大進学に強さを発揮した。今春は、東大と難易度が同等である国立大学医学部医学科に26名の合格。高校入試校の中で、都内で1位の実績。SSH指定で、東大だけでなく医学部への強さ「高校入試からでは国立大医学部は無理」と、10年ほど前に都内の某私立中学校が言い放っていたが、日比谷はその説を打ち破った。都内では数少ない、“高校受験を経てから医学部を目指せる進学校”といえる。


 


■多摩科学技術高校


 ~一期生が期待以上の進学実績、都立トップ校とも悩む候補~


 多摩地区のみならず、東京全都の中核となる理数系の進学校を目指した多摩科学技術高校は、一期生から期待以上の大学進学実績を残してきた。一期生の高校入試時は定員割れで二次募集もおこなうなど生徒募集で苦戦。それでも、手塩に掛けて3年間育ち、卒業時には近隣ライバル校の武蔵野北高や小金井北高を上回る国立大合格率をたたき出した。見事というほかない抜群の教育力。三期生以降は一般入試でも倍率が2倍を超す人気校に。偏差値も60を超えてきた。3~4年後には、立川高や国分寺高といった都立2番手クラスの進学校に理系実績では追いつきそう。都立トップ校に合格する力を持つ受験生もさらに増えそう。全都立校中、今最も熱い期待を受けている学校だ。


 


■調布北高校


 ~“サンキタ”で最も成長著しい改革派の躍進校~


校章は日本を代表する蝶、“おほむらさき”。これが象徴するような、自由でおおらかな明るい校風の調布北高校の進学実績の躍進は目覚ましいものがある。2013年の国公立大実績は20名で過去最高を達成。早慶上智は5年前の3倍、MARCHは2倍と増加のペースが速い。数年前より積極的に進学校としての学校改革に乗りだし、それが軌道に乗っている。2年次以降は特進クラスを設置して進学指導重点校合格レベルの生徒にも対応。武蔵野北高、小金井北高と共に“サンキタ”と呼ぶが、5年前は“サンキタ”の中で3番目であった。今年以降は完全に並んだといってもいい。


 


■豊多摩高校


 ~独創性を重んじる校風+伸びる進学実績=無限大の可能性~


豊多摩高校はおもしろい。東京都内で最も独創性を重んじるといわれるように、オリジナルな個性を最大限に尊重する伝統が根付いている、特異な校風だ。自由な校風というカデゴリの中でも一線を画す。ジブリの宮崎駿や、詩人の谷川俊太郎の出身校といえばイメージはつきやすいだろうか。生徒のことは“学友”と呼び、生徒独自の学友会とよばれる機関が強い主体性をもって学校全般を仕切っている。学校は大学進学へのサポートに力を入れ、進学実績は大きく伸びている。特に国公立大実績は近年で最多であった。都立3番手校に復帰して、大泉高、竹早高、小山台高、武蔵野北高などと悩むレベルにまで上がってきた。


 



特別進学クラスを設置へ サンキタ、調布北高が学校改革


 


 学校改革を進め大きな成果を上げている調布北高校(調布市)が、2013年度から2014年度にかけて、特進クラス設置を含む、更なる大改革を実行。2015年~2016年度の入試で注目を集めている。


 調布北高校は、受験者レベルでは都立3番手校に属する進学校。地域には、同じ偏差値帯の武蔵野北高校(武蔵野市)、小金井北高校(小金井市)と比較されることが多く、3校はまとめてサンキタ(三北)と呼ばれている。


 進学校として知られる同校であるが、一時期は進学実績が低迷することもあった。そこで数年前より大きな学校改革を断行。取り組みを紹介する。


①高校1年次に2泊3日でおこなう全員参加の勉強合宿


②差のつきやすい英語・数学で学力別少人数授業を実施する手厚いフォロー


③1年から3年生まで延べ7000人以上が参加する夏期講習会


④土曜日授業の復活と土曜進学講習の実施


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↑調布北高校の勉強合宿の様子。山中湖で、基礎クラスと発展クラスに分かれて勉強漬け!今どきの受験指導に手厚い都立高校を象徴している。


学校公式サイトに夏期講習会の詳細が載っている。講習内容を見る。「センター漢文」「MARCHの古文」「センター数ⅡB」「センターリスニング対策」どれも予備校顔負けの実践的な講習内容だ。 講習会はもちろん無料で開かれる。予備校に行かなくとも、学校の普段の勉強と、学校主催の講習会の利用で、国立大学や難関私大に合格している。自主参加だが、参加人数は延べ7000人。平均、一人当たり7回以上に参加しているということになる。


 


国立大合格が9人から27人に激増 難関私大も5年間で3倍 


努力は進学実績という成果となって如実にあらわれている。調布北高校の2015年度の今春の大学進学実績状況は近年で最も良い数字に。国立大学は例年8~9人前後だったが、今年は27人と急激に増加。難関私立大学はもっと増えている。早慶上理グループは、5年間で10人から28人と約3倍に。MARCHも64人から127人と約2倍に増えた。


生徒のなかで、国立大学や早慶上理が、ごく当たり前に目標とする大学となった。またMARCHの合格総数は100人を超え、大量に進学者を出すようにもなった。調布北高校は見事に、上昇トレンドに乗った「伸びる進学校」への仲間入りを果たした。





 


特進クラスは進学指導重点校並みのハイレベル内容


2013年からの第二の改革の目玉が特進クラスの設置だ。区部の都立高校は、新宿高校、文京高校、墨田川高校、田園調布高校など、特進クラスの設置を契機に爆発的に進学実績を伸ばした学校が多い。しかし多摩地区では、まだまだ特進クラスの設置は珍しく新鮮だ。調布北高校は多摩地区でも先駆け的な存在となる。


気になる詳細だが、名称は特別進学クラス。2年次に1クラス設置して、3年次も引き継ぐ。選抜は1年2学期までの模試や定期試験の結果に本人の希望を考慮して決定する。


特別進学クラスは、学力トップ層が集まることから、立川高や八王子東高といった進学指導重点校にも匹敵するレベルの、難関大を意識したハイレベルな授業内容となる。月曜日の7時間目には、学校がおこなう英語と数学の演習授業(大学入試問題などを解く実戦演習時間)に必ず参加などの決まりがある。


1年生は入学後も、特進クラスに入るという高いモチベーションで勉強することができる。中だるみ対策という意味で大いに有効だ。


また学力上位層をさらに伸ばす環境をつくるという意味で、調布北高校の特進クラス設置の意義は大きいと感じる。例えば、「確実に都立高校へ進学したい」という高偏差値の受験生が、不合格の可能性もある立川高や国分寺高の受験リスクを避け、調布北高校に確実に合格。その後特進クラスへ進学して、難関大を目指すという選択も有力になってきそうだ。


調布北高校は、初代校長が唱えた明るくおおらかな校風と、「おほむらさき」のトレードマークが深く浸透している。入学後の生徒からの評判も良く、2016年度入試は注目校になるだろう。サンキタの中で最も注視すべき学校だ。


 




国公立大学に大量合格で豊多摩高校が完全復活


杉並区の豊多摩高校は、2013年度の大学進学実績の向上が著しく、受験関係者の注目を浴びている。


2013年度の国公立大学の合格者は35名にのぼる。これはデータのある近年の数字では最も多い。また難関私大も好調で、明治大は3年前と比較して5倍増。立教大は4倍、法政大は5倍など、MARCHに大量の合格者を出すようになってきた。


 


豊多摩高校では、伝統ある独創性を大切にした自由な校風を受け継ぎながらも、時代に合わせた学校改革をおこなってきた。


 


①東京学芸大学などの有名大学との高大提携による受講制度の実現


②夏休みには70講座以上の講習を開き、塾に頼らない進学対策


③差がつきやすい英語と数学は少人数の学力別授業編成で基礎~応用で細かな対応


④土曜日授業の実施や土曜日補習、土曜日自習教室の開校


 


偏差値上昇で都立3番手校に仲間入りを果たす


進学実績は大きく上昇して、悲願の都立3番手校への仲間入りとなった。都立3番手校は、大泉高校、富士高校、駒場高校、武蔵野北高校、三田高校などの上位進学校グループのこと。


 


入学者の偏差値が上がっているために、進学実績はまだまだ伸びることが予想される。国公立大に40~50人ぐらいが合格する難関進学校にまで復活することは確実だろう。中高一貫校ではないために、全員が一斉に学校生活をスタートできる良さも人気の理由となっている。


 



独創性を重んじる校風が一番の魅力… 谷川俊太郎や宮崎駿の後輩に


 豊多摩人気が上がっているのは、難関大学への進学率が年々上がっているにもかかわらず、伝統ある校風を受け継いでいるからだ。


 


上位校は自由な校風が多いが、その中でも豊多摩高校は、独創性を大切にする特異な校風で知られている。


豊多摩では、生徒のことを“学友”と呼ぶ。行事を運営するのは、学友会と呼ばれる生徒による自主組織。伝統的に、生徒の自主性・主体性・独創性を、ほかのどんな自由な校風の学校よりも重んじる校風が根付いている。数年前、委員会組織の再編成を生徒の自発的提案によっておこなったことは有名な話だ。


そして、こうした他校に類を見たい独自の校風が、詩人、谷川俊太郎や、ジブリの宮崎駿などを生んだのは間違いない。豊多摩の生徒は、愛校心も人一倍強いのだ。


校風の継承と進学実績の躍進がマッチして、豊多摩高校は評判が大きく上がっている。2014年度も更なる人気を集めそうだ。


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