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中高受験新報

中学受験・高校受験の情報をタイムリーに掲載

SAPIX中学部、都立トップ校重視に大転換の衝撃

■都立トップ校重視へ! SAPIX中学部の歴史的大転換

都内に15校舎を展開する大手進学塾、SAPIX中学部が、高校入試戦略を大転換させて注目を集めています。都立トップ校進学重視に舵を切ったのです。

SAPIX中学部は1990年代以降、難関国私立高校志望者向けのハイレベルな進学塾としてのブランドを確立。開成高校筑波大学附属駒場高校、東京学芸大学附属高校といった難関校の多数の進学者を出してきました。

ところが、国私立高校の高校募集は減る一方で、2000年に武蔵高校が高校募集を停止、2011年には海城高校が募集停止。さらに女子校の豊島岡女子学園高校も募集人数を減らし続けています。

また、高校募集を継続する私立中高一貫校は大学合格実績を悪化させる学校が続出。かつて高校入試の御三家の一つに数えられた桐朋高校は、都立躍進の煽りで低迷。巣鴨高校城北高校も東大合格者数の減少が止まりません。

国立大附属高校の低迷はさらに顕著で、東京学芸大学附属高校は100名台だった東大合格者数が50名台にまで減少。今春は日比谷高校に東大合格率で逆転され、共学首位の座を譲りました。東京学芸大学附属高校は入学者の質の低下が止まらず、30名台程度まで今後下落することは避けられない情勢です。筑波大学附属高校に至っては、完全に都立トップ校の併願校レベルにまで下がってしまいました。

 

開成高校の高校募集人気が大低迷 日比谷や西に人気奪われ

SAPIX中学部がかつて売りにしていた国私立高校の高校募集が全般的に低迷する中でも、開成高校だけは、一定の人気を保っていました。

ところが、その開成高校も2010年代に入ると、都立トップ校人気の煽りを受け低迷が顕著に。開成高校の高校募集は100名。そのうち、合格者数は繰り上げ合格を含め200名~250名を出す惨状です。

開成高校の合格者のうち、実際に入学する生徒の割合の方が低いという現実。かつての開成高校のブランド力から考えると、信じられないような入試状況です。

SAPIX中学部のような難関国私立高校を売りにする進学塾にとって、開成高校の入試低迷は致命的です。

 

■「日比谷を第一志望に、開成・国立附属を併願」に転換したSAPIX

SAPIX中学部の2016年度の合格体験記を閲覧しました。驚くべきは、日比谷高校、都立西高校進学者の併願校です。開成高校東京学芸大学附属高校、筑波大学附属駒場高校といった最難関国私立高校ばかり並ぶのです。

例えば、日比谷高校合格者の男子は、半数が開成高校にも合格しています。昨今の都立トップ校人気と、開成高校の低迷を象徴するような進学状況です。

早稲田アカデミーでも、志望校別の「開成必勝」コースの在籍者が、実際には都立トップ校第一志望が多数派になりつつあるという話を聞きました。Z会進学教室でも、最上位のVコースのトップ層は、今年の中3では「日比谷が第一志望で、国立附属・開成が第二志望」がほとんどだと聞きました。

こうした高校入試の現状を踏まえて、SAPIX中学部も、転換に踏み切ったのでしょう。かつて「難関国私立高校第一志望の中学生向けの塾」であったのが、今は「都立トップ校第一志望、開成・国立第二志望の中学生向けの塾」に転換したのです。

 

■都立専門誌の刊行、都立トップ校予想問題集、日曜限定の「日比谷・西クラス」

SAPIX中学部が都立トップ校重視へと転換したことで、都立トップ校に関連した様々な取り組みが始まりました。

まずは、都立高校特集の冊子の作成。日比谷高校、都立西高校都立国立高校戸山高校八王子東高校立川高校、青山高校の7校をピックアップした情報誌が初めて配布されました。

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校長先生へのインタビュー、スクールカラーの比較、OB&OGインタビューなど、学校の魅力がたっぷりと伝わる情報誌です。SAPIX以外の生徒でも、校舎でもらうことができるそうなので、読んでみてはどうでしょうか。

 

東京都立高校入試予想問題集―都立トップ校に受かる!

 さらに、日曜日限定の「日比谷・西クラス」が新たに開設されました。一般生を対象に、無理なく日曜日に塾に通いながら都立トップ校対策をするクラスです。

このように、かつての国私立高校重視のイメージを払拭するほど、SAPIX中学部は都立トップ校対策に力を入れています。

 

 ■SAPIX中学部から都立トップ校を目指すメリット

 都立トップ校を目指すにあたって、進学塾選びはとても大切です。SAPIX中学部のほか、早稲田アカデミーZ会進学教室、駿台中学部、河合塾Wings、市進学院、ena、臨海セミナーといった塾が選択肢に入るかと思います。その中から、SAPIX中学部を選ぶメリットは何でしょうか。

最大の魅力は、日比谷や西といった都立トップ校を目指しながら、併願校として筑駒、学芸大附属、開成といった国私立難関校も確保できる学力がつけられる点です。

都立トップ校を目指すということは、将来の大学入試で、東京大学京都大学、国立医学部といった最難関国立大学を目指すということと同一です。高校入試の時点で、開成合格レベルの学力をつけておけば、大学入試での最難関大合格に向けての弾みをつけることができます。

都立トップ校を目指す中学生のみなさんが意識しなければならないのは、高校入試は通過点であって、本当の勝負は大学入試であるということ。都立トップ校に合格するためのミニマムな勉強ではいけません。高校内容までもどんどん踏み込んだ高度な勉強を、中学時代よりしていくべきなのです。

SAPIX中学部の都立トップ校志望者は、開成、国立大附属といった学校を第二志望として併願合格し、大学入試での弾みをつけようと考える仲間たちが大勢います。大学入試も意識した学力養成という意味で、SAPIX中学部は大きな魅力になるでしょう。

 

 ■国私立高校は、このままでは負のスパイラルが拡大する危機

SAPIX中学部が都立トップ校重視に舵を切ったことは衝撃的。学力優秀層がますます国私立離れ、都立志向が加速しそうだ。」という声が教育関係者から多く聞かれました。

ご存知の通り、2016年の日比谷高校は東大53名、国立医学部36名と近年最高の実績を記録。中高一貫校ではなく、全員高校入試の学校でこれだけの実績を出せるというのは、高校受験生に夢や希望を与えたのではないかと思います。

都立トップ校人気がますます上昇するのは確実です。駿台模試によると、現中3生は、開成と学芸大附属の第一志望者が減少、第二志望が増加。その多くが日比谷や西に流れています。このことから、現中3生が大学入試に挑むころには、日比谷高校は東大に70~80名程度にまで増えると予想されています。

なぜ、国私立高校の人気がなくなってしまったのでしょうか。それは、あまりにも中高一貫校に力を入れすぎる学校側に問題があります。「中高一貫生のほうが大学合格実績が高い」という理由で、カリキュラムを中高一貫生主体に構築して、高入生に不利なシステムになっていることが第一の問題です。

さらに、学校生活全般の問題もあります。ある質問サイトで、桐朋高校を検討している中学生が「高入生が委員会活動などに参加しにくい雰囲気はありますか」という質問をしました。在校生の回答は、「委員会は入りづらいです。入学して最初の週に決めるので、高入生がクラスに馴染む前に内進生によって決まってしまいます。」というものでした。

在校生の正直な回答。中高一貫校への途中入学による問題の根源を象徴しているような気がします。部活動や学校行事、委員会活動、生徒会活動までも中高一貫生中心となる現実。これが変わらない限り、国私立高校の人気低迷は加速するばかりでしょう。

 

都立西高校、西高っていいよね

都立西高校の2016年の進路状況

杉並区の閑静な住宅街にあるのが、都立西高校。通称、西高。

2016年の大学合格実績は、過去20年で最高の実績となり、長年都立高校を牽引してきた自負を感ずる結果であった。

 ・東京大学 32名

京都大学 14名

東京工業大学 13名

一橋大学 14名

国公立大学医学部医学科 23名

旧帝大学(北大+東北大+名大+阪大+九州大)  23名

 ◎難関国立大学合計 119名

早稲田大学 158名

慶應義塾大学 110名

 ◎早慶大合計 268名

 高校受験生と保護者のために、西高生の大まかな進路を説明しよう。最多進学先のベスト3は、1位:東京大学、2位:国公立医学部、3位:慶應義塾大学となっている。1学年の生徒数は約300名。うち約120名が上記の難関国立大学に進学。80名が、お茶の水女子大、東京外国語大といったその他国立大学に進学。300名中、200名が国立大学に進学する。

それ以外の約100名は、ほぼ早稲田大学慶應義塾大学が占める。ほか、私立大学医学部への進学者も、全国の公立高校の中では最も多い。例えば、東京慈恵会医科大学には2名が進学。大学の公開する2016年度の出身高校一覧を見ると、桜蔭、開成、麻布、駒場東邦、ラサール、女子学院など、複数進学者を出した学校は西高以外すべて私立中高一貫校であった。

ちなみに、MARCH(明治大・青山学院大・立教大・中央大・法政大)の進学者数は、わずか4名にとどまる。中高一貫校と比べて、3年制の高校単独校は下位層が少なくなるようだ。

 

東京芸大3名、京都大15名、北海道大12名からわかる西高の寛容さ

都立西高校は、懐が深い学校だ。進学校だから東大志向は強いが、決して特定の大学に誘導したりはしない。

その象徴が、京都大学15名進学だろう。当然彼らは、東大を目指せるだけの力があった生徒たち。それでも、「京都大学に行きたい」という生徒がいれば、それを受け入れ、応援する雰囲気がある。

西高の京都大学の進学者は、過去3年間でなんと47名。首都圏の高校の進学者数としては最大勢力だ。

東京都内だと、中学受験の御三家として知られる麻布高校も、京大進学者の多い学校だ(2016年は14名が進学)。西高と麻布の共通点は、懐が深い自由闊達な校風であること。あと、変人が多いというのもあるかもしれない(失礼)。ひょっとすると、京都大学の学風との共通性が高いのかもしれない。

「芸術界の東大」の異名がある東京芸術大学に3名合格するというのも、進学校としては異例中の異例だ。東京芸大といえば、合格は東大よりも難しいとされる超難関大学

全国の進学校を調べたが、東大にこれだけ合格する一流進学校で、東京芸大に3名も進学者を出している学校は、西高のほか存在しなかった。

海外志向も強まっている。西高では毎年、海外大学への進学者を出している。アメリカなどのメジャーな国のみならず、ヨーロッパのチェコの大学の医学部へ進学した生徒もいたというから驚きだ。

考えても見てほしい。クラスメイトの中に、才気溢れる東大生がいる、あえて西へ旅立つ京大生がいる、医者の道を志した医学部生がいる、北の大地を目指した北大生がいる、芸術界の最高峰である芸大生がいる、海外へ飛び立った同士がいる。

こんなにもバラエティーに富んだ進学校が、いったい東京都内に、いや日本にあるだろうか。

西高という特異な校風が生んだ奇跡の進路。西高生は、あらゆる才知に恵まれた生涯の友を得るに違いない。

 

■西高は、気取らない。自然体で。

西高が好きだと公言する人は結構多い。それは、卒業生だからというわけではない。教育関係者や、我が子を通わす保護者までもが、気づけば西高ファンになっている。西高の、進学校なのに気取らず、自然体であることが、好感を呼ぶのだと思う。

入学式を終えた新入生を待ち受けるのは、怒濤の部活動勧誘。愛の泉から正門まで、熱烈な勧誘を受けるのだ。西高生活の、はじまり はじまり。

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ドーン!

入学すると同時に、机に置かれているのが、西高の攻略本、西高のすべてが詰まっているといっても過言ではない、『飛翔』とよばれる情報誌。

卒業していった高3生が、まだ見ぬ新入生のために作られたもので、40年以上も生徒たちによって自主制作されているものだ。そのページ数は、なんと300ページ。これを熟読すれば、西高の先生、西高用語などを裏情報まで知ることができる。西高生のバイブルといえる書物だ。

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■西高では、校長先生がダイブする

西高では、校長先生がダイブするらしい。

嘘のような、本当の話。

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写真は、記念祭の閉会式の一コマだ。 「西高は、運動会などの生徒会行事はすべて生徒たちが自分たちでするので、校長といえども生徒の言う通りにしなければならない。西高の伝統で、校長は壇上からダイブします。日本の校長先生で、壇上からダイブする校長は自分ぐらいでしょう。」と嬉しそうに話す宮本校長。

ちなみに、宮本校長は全国高等学校長協会という、日本全国の校長先生が集まる組織の会長をしている凄い方なのだ。そんな宮本校長が、ダイブするのだから、西高、恐るべし。

西高生活を彩る学校行事の数々。まずは、記念祭。この玄人好みのポスターの秀逸さ。

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 記念祭での「つるばみ同好会」のライブ風景。

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 「軽音楽部とつるばみって何が違うの?」

西高初心者が抱く疑問の一つ。軽音楽部が固定メンバーでバンドを組むのに対して、つるばみは固定バンドを組まず、曲ごとにバンドを結成する。

軽音とつるばみ、二つの組織が共存共栄しているのが興味深いところだ。こんなところにも、西高らしさが溢れ出る。あなたは軽音派?つるばみ派?

 

浪漫倶楽部という存在 西高の象徴である非公式の地下組織

西高には、非公式の秘密組織が存在する。

冗談のように聞こえるかもしれないが、本当である。

その名も、浪漫倶楽部

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組織の起源は、1970年代に柔道部のメンバーらが密かに結成したのが始まりといわれている。現・東大法学部教授の高原明生氏らが創設メンバーであったとされる。

社会風刺団体でもあり、電波少年的な体当たり企画や奇抜な企画を、映画上映などを通して世間に訴えている。

ワタナベエンターテインメント取締役の吉田雄生氏はインタビューで、「西高の浪漫倶楽部が、僕の転機だった」と話す。勉強ができるのは当たり前。エンターテイメント方面で輝こうと思った彼は、浪漫倶楽部での経験を基に、その後成功を収めている。

浪漫倶楽部への入部は、「東大合格よりも難しい」とウワサされる。気になる人は、記念祭の映画上映へ足を運ぼう。

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ちなみに、浪漫倶楽部のほかにも、秘密結社ベトリナという組織もある。「ベドリナ」とは、アルバニア語で「無駄」の意味。「青春とは、方向を間違えたエネルギーである」という理念のもと活動している。ただし、この組織は西高の公式サイトのサークル一覧に書かれており、完全な非公式組織ではない。

とはいえ、秘密結社のような不思議な団体が活動する西高っていったい……。

 

■文武二道を極める

西高の説明会へ行けば、必ず聞く言葉がある。

「文武二道」

文武両道とは言わない。二つの道を極める、という意味で、文武二道。

西高の運動部は強い。進学校であるのに、好成績を残している。アメリカンフットボール部を紹介したい。

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東日本における高校アメフトは、西高が発祥の地だ。

第二次世界大戦後に、当時の平山清太郎先生が創部したのがはじまり。チーム名は「OWLS」。知恵を象徴するフクロウがマスコットだ。以来、60年以上の歴史の中で、幾多の名選手や指導者を輩出してきた。中でも、京都大学のアメフト部への輩出数の多さは有名で、西高アメフト部→京大アメフト部の伝統が連綿と続いている。

今年、六大学野球で「都立西高校」の名がよく聞かれた。西高出身の桐生祥汰選手(東大経済学部)が、東大として23季ぶりにベストナインに選ばれたのだ。

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中学時代は武蔵府中シニアに所属。西高時代は1年夏よりセカンドレギュラー。 高3夏から1日10時間以上の猛勉強で、現役で東大合格した。西高が誇る文武二道の実践者だ。

 

■西高の新しい試み アメリカ研修

西高の良さは、伝統を受け継ぎつつも、新しい試みを柔軟に取り入れていく姿勢があるところだと思う。2年前から、海外リーダーシッププログラムを他校に先駆けて実施している。

希望者40人の西高生が、アメリカのハーバード大学マサチューセッツ工科大学の講義を体験したり、現地学生と交流したりディスカッションをする。また、ニューヨークで西高を卒業し現地で活躍する方々と交流したり、国連本部などを見学するという、壮大な体験だ。

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ハーバード大学で平和に関する講義を受ける西高生。

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西高には、アメリカ支部の同窓会組織がある。世界中に同窓会組織があり、同窓生が活躍しているのは心強い。写真は、ニューヨークでの同窓生との交流会。「私たちも、昔は西高生だった」。

 

■西高は、高校入学の生徒が気取らない学校生活を送る最後の進学校

都立西高校のぶれない教育が今、改めて評価されている。

周りの進学校が次々と中高一貫校化して、高校募集を減らしたり停止する中で、西高はずっと、高校受験生のための学校であり続けている。

仮に西高が中高一貫校になってしまったら、独自の校風は消え失せ、そこらへんにある普通の進学校と同じになり、均質化されてしまうだろう。西高の校風は、高校から始まる3年制であるからこそ続いているのだ。

西高の先生は語る。「西高の良さは、だれにでも居場所があることです。運動が得意な人、苦手な人、オタクな人、行事に熱心な人、自分の趣味に没頭する人、それぞれを尊重します。」

東京都内で、高校受験を経て入学する生徒たちが、変に気取らず、自然体で高校生活を送れる学校というのは、そう多くない。進学校に限定すれば、もはや都内には、西高ぐらいしか残されていないという事実に気付く。

かつては、西高のような学校が、もっとあった気がする。今は中高一貫校ブームで、西高が唯一の存在。最後の砦だ。

西高に異動した先生が「まだこのような学校が都内に残っていたとは。」と感動したという話を思い出した。西高の灯を消してはならぬ。西高はいつまでも、西高でいてほしい。周りのすべての進学校が中高一貫校になっても、西高だけは抗う存在であってほしい。西高よ、永遠に西高であれ。

 

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多摩科学技術高校が「塾がすすめする高校」に選ばれる

■多摩科学技術高校の躍進はだれにも止められない!?

小金井市にある多摩科学技術高校の躍進ぶりは、教育関係者の間でも話題になります。どのくらい大学合格実績が伸びているのか?学校のウェブサイトに、分かりやすいグラフが掲載されていたので引用します。

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 多摩科学技術高校は理系の難関大学進学を専門とする学校です。理系の場合は、学費の安い国公立大学に人気が集中するのはどの進学校でも同じ傾向。従って、国公立大学の合格実績こそが、学校の進学力を表すバローメーターとなります。

ご覧の通り、多摩科学技術高校は年々、合格実績を高めていて、2016年春は35名もの合格者を出しました。しかも、現役比率が高く、浪人が少ないというのは魅力的です。

学習塾が選ぶ「塾がすすめたい高校」で3年連続で1位に選ばれるということは、大学合格実績以外にも魅力があるということです。

 

■本当に高校!? 全国で最も理系設備が充実した進学校! 

「ここって本当に高校!?」

多摩科学技術高校を初めて訪れる人は、誰もが抱く感想でしょう。大学の実験室や、企業の研究室にしか置かれていない一級品の実験機材が並びます。

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多摩科学技術高校は、文部科学省よりスーパーサイエンスハイスクール(SSH)に指定されており、国から1000万円の予算がつきます。

生徒たちは、普通科目以外に、興味や希望進路に応じて先端技術の4領域の中から一つを選んで学びます。3年次には卒業研究に取り組み、発表をします。

例えば4領域の一つである「ナノテクノロジー」は、髪の毛の8万分の1の加工技術という、極めて微小な世界を理解する学問です。1年次に、単位、次元、電子顕微鏡などの基礎を学んだうえで、二年次以降には、電子線描画装置を用いたナノメートルの加工を行う実習を行います。

こうした教育は21世紀型教育と言われており、昨今、大変に注目を集めている教育実践です。21世紀型教育は大学からの評価が極めて高く、そのおかげで多摩科学技術高校の生徒たちは、一般入試のみならず、AO入試といった推薦入試で国公立大学への合格を勝ち取る生徒が多いのも特徴です。

我が国では今後、大学入試において、推薦入試を拡大することを方針としており、東京大学京都大学でも昨年より初めて推薦入試が実施されました。多摩科学技術高校のような21世紀型教育の実践校には追い風。新しい入試制度への対応に強い進学校といえるでしょう。

 

■少数精鋭の教育、朝や午後補習が充実

 多摩科学技術高校は、生徒人数や1クラスの人数を少なめにしていて、一人ひとりしっかりと目が行き届く環境を整えています。

私立高校の進学校は、一般的な1クラス人数が44~45人程度。都立高校は40人程度。それに対して、多摩科学技術高校は1クラス35人にまで人数を抑えています。1学年も210人と少数精鋭の集団です。

しかも、学校内にはゼミ室とよばれる少人数授業専用の教室がたくさんあり、主要科目の多くは、少人数制の学力別授業を行っています。大学のゼミを思わせるような少人数に1人の先生が指導するという、なんとも贅沢な環境です。

さて、国公立大学を目指すためには、理系科目はもちろん、文系科目も含めて幅広い学習が必須です。「多摩科学技術高校は、文系の指導は大丈夫なの?」と疑問を持つ人もいるかもしれません。

しかし、安心してください。多摩科学技術高校は、補習や講習が大変充実しています。特に、理系生にとって穴になりがちな地歴公民や国語は、朝補習に午後補習、夏期講習や冬期講習など、学校がかなり手厚く補習や講習で面倒を見てくれます。これらの補講を上手に活用すれば、学校の勉強だけでも十分に国公立大学を目指すことができます。

 

中高一貫校ではない理想的環境!  オタクが多い学校!?

 私立高校と比べて、多摩科学技術高校は「中高一貫校ではない」という良さも挙げられます。都内の私立高校を選ぼうとした場合、ほとんどの学校が中高一貫校で、附属中学校を持っています。

高校入学の時点で、すでにたくさんの内進生が友達の輪を形成していて、馴染めなかったり、部活動や学校行事を内進生が主導し、高校入学の生徒が入りづらい雰囲気があったりします。また、中高一貫校の私立高校は、大学合格実績を内進生が稼ぐというのが常識で、高校入学の生徒は実績が劣っているのが普通です。

多摩科学技術高校は、附属中学校がありませんから、内進生とか、高入生みたいな括りはありません。みんなが一緒に入学してきて、一緒に勉強や行事を経験して、卒業します。素晴らしい大学合格実績も、すべてが高校入学の生徒によるものです。

昨今問題になっている、中高一貫校への途中入学の後悔ということは、多摩科学技術高校では起こりません。

多摩科学技術高校の生徒たちに聞くと、口をそろえて「たまかぎの人たちは変わった人とか、オタク的な人が多い」と言います。

「アニメオタク、鉄道オタク、数学オタク、生物オタク、パソコンオタク……なんでもいます。他の高校だと浮いてしまうような人も、たまかぎなら当たり前なので浮きません(笑)」

多摩科学技術高校のオタク率の高さは、部活動にも表れています。例えば、パソコン部の部員数は50名以上。都内でも有数の人数の多さです。パソコン部はプログラミング言語を学ぶ班、部内サーバーの管理やハードウェアを扱う班、画像加工を扱う班など、希望に応じてさらに分かれます。パソコン甲子園情報オリンピックにも出場するなど、都内屈指の盛んさです。

変わった部活動が多いのも多摩科学技術高校の特徴。ロボット研究部では、ロボットを製作して、ロボット大会に出場しています。無線工作部では、無線を用いた作品の制作や、なんと電気自動車の制作も! 部員数80名以上を誇る科学研究部では、数学班、化学・物理班、生物班、生活科学班に分かれてそれぞれの班が研究活動や作品制作に打ち込みます。

他校にはない特徴的な部活動の多さは、多摩科学技術高校の校風を象徴していると言えそうですね。

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■偏差値が65を突破! 3年以内に国公立大50名オーバーは確実

多摩科学技術高校は、都内で一番偏差値の上昇が著しい学校として今や有名になりました。一期生が高校入試のころの予想偏差値は50前後でした。それが評判が高まるにつれてみるみる上がり、2017年度の予想偏差値では65を記録しています。

VもぎやWもぎでの合格確実圏偏差値65というのは、どれくらいの偏差値なのでしょうか。多摩地区の難関校の偏差値はご覧のようになります。

○都立トップ校

73 都立国立高校

○都立2番手校

70 八王子東高校

69 立川高校都立武蔵高校

68 国分寺高校

○都立3番手校

66 武蔵野北高校

65 多摩科学技術高校

64 町田高校小金井北高校

63 日野台高校調布北高校

 ※「Vもぎ・Wもぎ 都立高校偏差値」より引用

 多摩科学技術高校は、いわゆる都立3番手校に所属する上位進学校です。多摩地区の都立3番手校といえば、武蔵野北高校小金井北高校調布北高校の3北(サンキタ)が有名ですが、都立3番手校の最高峰、武蔵野北高校に、多摩科学技術高校は偏差値で1つの差になるほど接近しています。

 しかもこれは、2017年度入学予定の現中3生の予想偏差値。今春の国公立大学の合格実績を残した世代が高校入試のころは、偏差値が58でした。それにもかかわらず、出口の国公立大学合格実績は、3北と同等の数字を出しています。多摩科学技術高校の大学進学力の高さを、偏差値を通して改めて感じます。

 3年以内に、国公立大学の合格者数は軽く50名を超えるでしょう。そして、都立3番手校のグループの中では敵なしの状態になるのも時間の問題でしょう。

 したがって、多摩科学技術高校は、都立2番手校レベルの生徒たちにも検討の価値のある学校です。国分寺高校、立川高校都立武蔵高校八王子東高校新宿高校といった難関校を検討している理系志望のみなさんは、ぜひ多摩科学技術高校も一度見学してみてください。今現在の大学合格実績は、これら都立2番手校の難関校と比べるとまだまだ見劣りしますが、都内で最も勢いのある学校です。あと数年で一気に伸びることが確実です。

 それどころか、都立国立高校のような、全国屈指の進学校レベルの中学生にも、多摩科学技術高校は検討の価値があると思います。多摩科学技術高校のことを「偏差値を超越した学校」と呼ぶ人もいます。そう言っても大げさではないくらい、大化けの可能性を秘めた魅力のある学校です。

 普段から厳しい目で見ている塾関係者が「この学校はおすすめだ!」と言える学校ですから、ただものの学校ではないことは確かです。気になった人は、学校見学や説明会に足を運んでみてください。