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中高受験新報

中学受験・高校受験の情報をタイムリーに掲載

東京学芸大学附属高校いじめ問題の深刻さ

東京学芸大学附属高校の“学校崩壊”は必然だった

東京学芸大学附属高校が崩壊しました。学校内部の教師陣が、生徒や保護者に対する統制を完全に失い、内部の分裂、不安の増大、告発者の出現などが相次いだ末の、遅きに失した謝罪会見でした。

無論、ウェブサイトで情報収集していた教育関係者や中高生にとって、東京学芸大学附属高校が内部崩壊しつつあることは、周知の事実でした。すでに当ブログでも、7月の時点で、いじめの発覚や校則強化によって、在校生の間で学校に対する不信感が急速に高まっていることを伝えました。

 

 東京都世田谷区に所在する国立大学附属校、東京学芸大学附属高校で男子生徒による盗撮行為が発覚。犯罪行為に対する学校側の処分が謹慎処分という軽さで済ませ、外部への情報流出を防ぎ、内部で解決しようという態度であることから、Twitterや掲示板などのSNSで批判が高まっています。

学校でこのような問題が起きたときこそ、学校の対応力が試されるというもの。停学処分や退学処分といった対応も感がられますが、東京学芸大学附属高校の判断は正しいものだったのかは議論を呼びそうです。

東京学芸大学附属高校に通わせる保護者の中には「学校に不信感を持ってしまった。」と話す人も。ところが、話はこれで終わらず。

(受験ランキング記事より引用 2016年7月11日)

 東京学芸大学附属高校は、7月時点であらゆる学校内部の問題が山積していたにもかかわらず、学校に対する評判の低下を恐れて、外部へ一切公表しませんでした。この対応が致命傷となり、事件は終息するどころか、学校への不信感を拡大させ、騒ぎが大きくなっていきました。

確かに、いじめ問題自体は、たとえ東京学芸大学附属高校のような高偏差値の進学校であっても、皆無であるとは言えません。しかしながら、東京学芸大学附属高校には、他校にはない極めて特殊な内部状況がありました。この環境は、いじめを誘発した一因であることは間違いありません。事件が起こったことは偶然ではなく必然でした。この記事では、東京学芸大学附属高校の問題を追究していきたいと思います。 

 

保護者や生徒がSNSでいじめや盗撮事件の隠蔽を告発した

「盗撮という犯罪行為に対する処分が甘すぎる」

東京学芸大学附属高校では7月頃、一部保護者や生徒が学校への不満を爆発させていました。意外にも、今回報道されたいじめ事件に対についてではありません。同時期にもう一つ起きた、盗撮事件に対する不満です。

東京学芸大学附属高校の男子生徒が、同級生の女子生徒のスカートの中を盗撮。さらに、LINEによって同級生に拡散されたというものでした。

一線を超えた犯罪行為でありながら、学校は加害者に対し、謹慎処分という極めて軽度な処分をするにとどめ、学校内部での事態収拾を図りました。

あまりにもおかしな学校の対応に、疑問や不満を抱く保護者や在校生が続出。特に女子生徒を通わせる保護者は怒りを露わにして、SNSで匿名告発がある騒ぎとなりました。

 

 

 娘が、都内の某国立附属校に通っています。
女子生徒に向けた盗撮行為があったそうです。
警察沙汰になりそうな事件ですが、学校内部だけで解決するつもりだそうで、謹慎処分で外部に漏らさないようにとの判断がなされたそうです。

娘を持つ身としては、この対応は不安で不安で、学校に不信感を持ってしまいました。校長先生が1ヶ月も経たないうちに新しい方に変わって、学校の締め付けが厳しくなっているらしく、そういううっ憤が生徒たちに溜まっているのかと原因を探ってしまいます。

(インターエデュ「娘の学校で起きた盗撮騒動」より引用)

 

さらに、並行して起きていた男子ホッケー部でのいじめ問題に対する対処のずさんさも問題化します。学校は一切外部に公表せずに、「外部には漏らすな」という対応であったことから、事態を重く見た一部の生徒たちが、勇気をもって告発する事態に至ります。

 

 

大きないじめがありましたが学校側はこれを隠蔽しました。詳しくいうと、早急に警察に対応してもらいますとは言ったものの警察に報告すらしていなかった模様(被害者の保護者談)
いじめ対策委員会などというものもありますが、委員長の先生は生徒への体罰や理不尽な罰則などが目立つ。

(みんなの高校情報「東京学芸大学附属高校の口コミ」より引用)

 

 

 

 今回の謹慎処分になった生徒達より、一つ上の代で起きた、いじめ問題のほうが深刻です。今回の謹慎は中高生にありがちなスカートめくりのようなもので、可愛いものです。それより、いじめの方では、骨折や脳震盪で大怪我をさせた上に、被害者生徒は未だに保健室登校と聞きました。
まだ、このいじめ問題は収束してないですし、被害者生徒のが命がかかっている以上、こちらの問題の方が深刻に受け止めるべきです。自殺にもなりかねないような悪質なものだったにもかかわらず、退学処分をを下さないのは、どうなんでしょうか?きけば、学校側はこちらの問題を口外しなように生徒に通達していたらしいので、今回の謹慎事件の方でうやむやにしようとでもしてるんじゃないでしょうか?

(インターエデュ「謹慎者続出は残念」より引用)

 

保護者と生徒による勇気を持った告発によって、当初は隠蔽を図っていた東京学芸大学附属高校も、保護者に対して説明をせざるを得ない状況に追い込まれました。

事件発生から相当日数が経って、ようやく学校は臨時保護者会の開催を決定したのです。

 

加害者への軽すぎる処分に疑問噴出

盗撮事件やいじめ問題に対して、野球部の7月の活動自粛、キャプテン交代、加害者隔離などのいくつかの対処や現況が臨時保護者会で明らかになりました。

しかし、東京学芸大学附属高校の対応は、保護者が唖然とするほどの軽い処分にとどまるものでした。犯罪行為をした加害者は退学処分になるどころか、別室で隔離したうえで、授業が受けられるようにスクリーンに授業を映して参加するというもの。加害者を守り、外部への公表もしませんでした。

 

いじめは関係者全てがクソ
学校側の隠蔽はもちろんだが、加害者の処分の軽さもひどい。学校は反省を促すよう努めたと過去形で言っているが加害者の中には今でも「イジメはなかった」と言ってる奴もいる。
もっと酷いのだと「もっと虐めればよかった」とか言ってる輩もいる。しかもそいつはこんなクズ学校を退学したいとか息を吐くようにツイートしてる。
お前が望み通り退学してれば今よりは格段にいい状況だったかもしれないんだ。鍵付いてないからみんな見ていいよ。

(在校生のTwitterより引用)

 

 

「校風が変わった」生徒のTwitterアカウントを見ようとする教師

東京学芸大学附属高校の学校問題は複雑です。いじめ事件、盗撮事件といった犯罪行為の数々に加えて、今年度より学校が異様なほど生徒への管理を強化して、生徒たちが教師に対する不信感を強めていきました。

「友人が次々と謹慎処分になった。いつ自分が謹慎処分になるか不安で怖い」

在校生のTwitterのつぶやきです。この頃から東京学芸大学附属高校では、異常ともいえるような管理型教育へと転換していきます。

古くからの教員は大量に去り、校長先生も1っか月足らずで人事異動。売りであった自由な校風は消え失せ、謹慎処分の連発によって生徒を管理しようとします。Twitterでは、在校生が「これも謹慎処分かな(笑)」と自虐するほどの謹慎処分ブームが起きていました。

さらに、学校は部外者への情報統制のためか、SNSの管理を強化。「生徒の安全・安心のため」という大義名分のもと、なんと鍵付きの在校生のTwitterアカウントまで把握しようとします。毎日新聞の新聞記事より引用です。

 

  昨年9月に校内でいじめが発覚して以降、「先生たちの締め付けが強くなり、校風が変わった」と話す生徒も多い。一部の友人にだけ公開していた生徒のネット上の投稿を、教師が生徒の友人に見せるよう求めることもあるという。ある男子生徒は「監視されているようで気分が悪い。いじめは起きるし、先生も信じられない」と声を落とす。

毎日新聞<学芸大付属高>「校風変化」戸惑う生徒も」より引用)

 Twitterアカウントまで監視・管理しようとする、前代未聞の超管理教育への転換に、多くの生徒が「校風が突然に変わって息苦しくなった。」と嘆きます。

一部の生徒は、過度の干渉に対して反発します。ある者は、Twitter東京学芸大学附属高校の内部状況を告発するアカウントをあえて作成します。

 

「無能な生徒と腐れ教師が蔓延する」 と主張する「反東京学芸大学附属高校」というアカウントまで登場し、事態は混沌としていきます。


土曜日授業も下馬祭の廃止もぜんぶ突然に

「この学校はおかしいと思う。なんでもかんでも突然に決める。」

東京学芸大学附属高校に在学するある生徒は憤っていました。彼女は、「土曜日は習い事をしたいから、土曜日授業のない附高にした。合唱が好きだから、合唱コンクール(=下馬祭)のある附高にした。」といいます。

それなのに、学校は突然に土曜日授業の強制を決定。土曜日を自由な自分の時間として確保していた生徒たちにとっては、習い事の変更などを余儀なくされてしまいました。

「わざわざ土曜日に授業を開いて何をするかと言ったら、総合学習のような授業。SGH(スーパーグローバルハイスクール)に指定されているけれども、このままじゃ指定を外されてしまうから、指定維持のために導入するというしょうもない理由。正直、ダルいし、先生も反対派の人がいます。」

下馬祭といえば、東京学芸大学附属高校の主要行事の一つ。「学校は生徒アンケートをして、存続か廃止かを問いました。存続派が多数だったにもかかわらず、一方的に廃止を通告しました。アンケートをした意味が分かりません。」

いじめに盗撮と次々と起こる犯罪事件、外部に公表しようとせず隠蔽に走る学校組織、謹慎処分を連発し締め付けを強化する教師陣、土曜日授業も学校行事も生徒の意向を無視して当然―。かくして、東京学芸大学附属高校は崩壊したのでした。

 

卒業生が告発した、東京学芸大学附属高校でいじめが起こる決定的理由

「9割以上の人間は、東京学芸大学附属高校で、いじめとは無縁の学校生活を送るでしょう。でも……」

私達はSNSを使って卒業生からの情報を集めました。その結果、東京学芸大学附属高校でいじめを受けていたと告発する人が複数人いました。

彼らが共通して口にすることがありました。それは……

「内部、外部という集団です。附高は、表向きでは、内部生も外部生もすぐに打ち解けて、互いに内部と外部の違いを意識することはないということになっています。学校説明会で強調されます。でもね、本当に区別がないと思いますか…?」

ここからは、東京学芸大学附属高校でかつて、陰湿ないじめを受けたという高校入学の元生徒個人の考えであることは承知してください。

みなさん、東京学芸大学附属高校という学校の生徒構成の複雑さをご存知でしょうか。東京学芸大学附属高校は日本で最も複雑怪奇な進学システムをとる進学校であり、高校に進学するために、学力下位層の大量切り捨をおこなう、ある意味残酷な学校です。

東京学芸大学附属世田谷小学校 → 附属世田谷中学校

東京学芸大学附属竹早小学校 → 附属竹早中学校

東京学芸大学附属小金井小学校 → 附属小金井中学校

これら三つの小中学校は、それぞれ小学校受験、中学受験のお受験校です。小学校受験は、幼いころから小学校受験の専門教室に通うエリートや金持ちの子弟が多い傾向にあります。彼らは、一般の公立小中学校とは隔離された特殊環境で育てられ、強いアイデンティティを持つようになります。

附属高校は1つしかないために、同級生を蹴落としてでも、自分が内部進学の権利を勝ち取る必要があります。このような、富裕層の子弟が、隔離された環境の中で、内部進学を目指した熾烈な競争を強いられ、勝ち残ってきた人間が附属高校へ進学し、一大勢力を形成するのです。

東京学芸大学附属高校では、世田谷閥、竹早閥、小金井閥のような内部生集団が学校全体で大きな力を持つようになります。「普通の一般家庭の公立中学出身者からすると、内部組の派閥は奇異に思うこともありました。でも、彼らと仲良くなって溶け込む努力をしないと、いじめの対象になってしまうことがありました。」

調査の限りでは、東京学芸大学附属高校でいじめを受けた経験のある人間は、高校入試を経た外部進学者で、いじめの首謀者は内部進学者が中心だったといいます。今回のいじめ問題も、被害者は高校入試から入学した外部進学者でした。

高校に三つの巨大な派閥があるというのは、日本全国で東京学芸大学附属高校だけです。こうした特殊環境は、いじめを生みやすいと言って間違いないでしょう。

「内部生は派閥なんてないと主張するでしょうね。でもね、ないはずないんですよ。だって内部生は、長いと小1から9年間ずっと一緒だった集団です。それだけ一緒にいたら、無意識にも閥はできてしまいます。不幸にも高校入学の生徒は、派閥になじめないと、いじめを受けてしまいます。もちろん、内部生はいじめだと思っていません。」

 Twitterでも、何人かの卒業生が東京学芸大学附属高校でのいじめ体験を書いていました。

 

東京学芸大学附属高校は、学校構造を改革しない限り事件は続く

東京学芸大学附属高校は進学校のわりに不祥事の多い学校です。花火禁止区域で花火をしながら集団飲酒をし100人以上の謹慎者が出た事件を覚えている人も多いはずです。教師の逮捕事件もあるなど、定期的に事件が起きている印象は否めません。

もちろん、今回の盗撮事件やいじめ事件の加害者本人の罪が最も重いことは言うまでもありません。しかし、東京学芸大学附属高校の場合は、以上のような学校内部の複雑な構造が、犯罪行為を誘発しやすい状況をつくっていると言わざるを得ません。

教員養成大学の附属であり、いじめ防止の研究をする教員も在籍する東京学芸大学附属高校で、いじめが起こりやすいという笑えない状況を改善するためにも、抜本的な改革が求められます。

今の東京学芸大学附属高校はボロボロです。どのような変革があるのか、注視していきたいと思います。

 

今後3年間は附属高校への入学は避けて当然の理由

もしも受験生の生徒本人や保護者がこの記事を見ているのならば、伝えたいことは単純明快です。「今の東京学芸大学附属高校への進学は見送ったほうが良い」ということです。

高校のブランドが地に落ちてしまい、印象が大変に悪くなってしまっただけでなく、大学進学実績も下落に拍車がかかることは確実だからです。

私たちは大手進学塾や主要模試の志望者状況を毎年研究していますが、すでに9月の時点で、高校入試における学力トップ層が東京学芸大学附属高校離れを起こしていました。具体的には、都立日比谷高校、都立西高校横浜翠嵐高校を学力トップ層は第一志望にするようになってきました。東京学芸大学附属高校は受けても第二志望という生徒が多いのです。

大学進学実績でいえば、5年以内に東京学芸大学附属高校の東大合格者数は30人台にまで減少することは確実な状況であったといえます。

ところが、今回の事件の衝撃は相当に大きく、9月時点以上に、東京学芸大学附属高校を敬遠する動きが加速するでしょう。そうすると、現中3生が東京学芸大学附属高校を卒業するころには、東大合格者数が30人台すら危ぶまれる恐れが出てきました

東京学芸大学附属高校にわざわざ外部として入学する理由は高い大学合格実績でしたから、これが崩壊してしまうと、もはや高校入試で入学する意味がなくなってしまいます。現中3生は、今の状況からは想像できないほどの東京学芸大学附属高校の凋落を見ることになります。もはや凋落を止めることはできないでしょう。

よほど強い思い入れと、内部生に馴染む自信がない限りは、高校入試では別のトップ校を選択するのが最善です。3年後には、想像を超えるような差がついているはずですから。それだけ、いじめ報道というのは、インパクトが大きいのです……。

 

2017年度 進路希望調査から予想する神奈川県公立高校入試 [平成28年度]

神奈川県教育委員会は11月23日、10月に公立中学区生を対象に実施した中学3年生の進路希望調査結果を公表しました。今年の神奈川県内の公立中学校3年生の生徒数は、前年度より404人少ない6万9965人です。

県内の全日制公立高校の希望率は80.7%で、前年の81.3%から0.6%低下しました。県内外の私立高校希望率も10.3%から0.3%下がり10.0%にとなりました。全日制高校への進学希望率が低下する一方で、2017年度は通信制高校への進学希望率が上がっています。また、進路希望未決定率も上がりました。

神奈川では近年、公立進学校の復権が目覚ましく、横浜翠嵐高校を筆頭とするSSKH(翠嵐高・湘南高・川和高・柏陽高)が最難関校として大学合格実績を伸ばし続けています。ここでは、主な公立進学校の希望者数の推移から、2017年度の公立高校入試を予想したいと思います。

 

※過去9年間の希望者数推移を示しています。前年比で△は増加、▼は減少、=は10名未満の変動です。

 

 

■最難関SSKH4校

横浜翠嵐高校が過去最高の大激戦入試へ 学芸大附属からも流入~

 

横浜翠嵐高校 504→666→580→523→620→781→694→732→786 △

湘南高校---- 534→506→571→418→854→735→773→781→681 ▼

柏陽高校---- 485→523→424→296→451→521→514→556→578 △

川和高校---- 641→682→689→474→771→723→804→708→625 ▼

 

神奈川を牽引するSSKHの最難関4校は、全県模試やWもぎで合格確実圏偏差値が70を超える最高峰です。今年は『週刊東洋経済』や『週刊ダイヤモンド』といった有名雑誌の特集記事で、相次いでSSKHが特集されました。学力トップ層は、ますますこの4校に集中してきており、大学合格実績で他校を突き放しつつあります。

今や神奈川の公立復権の象徴的存在となった横浜翠嵐高校から見ていきましょう。前年より50名以上希望者を増やし、786名は過去最多の希望者数です。2017年度入試は、史上最高の大激戦の入試となること間違いないでしょう。

大切なのは、人数だけでなく、受験者の層も上がってきているという点です。多くの進学塾関係者が口をそろえて、「学力トップ層が、学芸大附属高校や開成高校よりも横浜翠嵐高校を選ぶようになってきた。」と言います。今春の東大現役合格者数18名は、あの共学最難関に復権した都立日比谷高校に次ぐ全国公立2位の実績。横浜翠嵐高校のライバル校である東京学芸大学附属高校と比較しても、東大現役合格率はあまり変わらなくなってきました。

中高一貫校ではない高校単独校で、これだけの大学合格実績を出せる学校は、全国でもほとんどありません。現中3生は“最強世代”になることは確実で、東京学芸大学附属高校とは完全に地位が入れ替わることになるでしょう。

逆に湘南高校は、過去5年間で最も少ない希望者数となりました。横浜翠嵐高校湘南高校は人気を二分しますから、横浜翠嵐に人気が集まる年は、湘南の人気が下がります。

飛躍的に大学合格実績を伸ばす川和高校は、柏陽高校と偏差値が並びました。急激な入試の難化が敬遠され、希望者数は減りましたが、志望者の学力はむしろ上がっています。大学合格実績も、将来的には柏陽高校を超えるようになるでしょう。校風の違いから、勉強も運動部も全力で頑張りたい文武両道型の生徒は、横浜翠嵐よりも川和を選ぶ傾向にあるようです。

柏陽高校も近年最多の希望者数となりました。理系に強い学校のイメージですが、最近は競合する横浜サイエンスフロンティア高校の陰にやや隠れ地味な存在になっていました。しかし、横浜サイエンスフロンティア高校が来年度より中高一貫校化するため、それを嫌がった理系志向の受験生が柏陽高校に戻ってきています。

 

■地域有力進学校 

 ~前年とは一転、希望者の減少相次ぐ上位進学校~

 ~多摩高は新校舎で希望者過去最多、横須賀高は近年最少で難易度低下か~

○神奈川総合高校- 318→324→334→540→367→442→432→417→393 ▼

○サイエンスフロンティア高校 437→409→333→354→444→447→498→408→365 ▼

○光陵高校------- 275→341→326→332→223→276→300→403→396 ▼

横浜平沼高校--- 608→579→545→576→563→526→470→476→453 ▼

○希望ヶ丘高校--- 453→397→474→442→541→500→439→545→529 ▼

横浜緑ヶ丘高校- 373→430→470→455→538→585→602→568→575 =

多摩高校------- 382→488→400→257→424→440→532→525→607 △

小田原高校----- 454→456→427→423→435→439→531→445→430 ▼

茅ヶ崎北陵高校- 461→477→419→539→428→436→405→378→408 △

○鎌倉高校------- 486→455→418→435→620→518→501→661→630 ▼

○大和高校------- 471→414→410→470→490→494→478→559→534 ▼

○横須賀高校----- 391→376→385→375→381→392→405→407→353 ▼

平塚江南高校--- 338→341→366→393→333→338→382→406→379 ▼

○相模原高校----- 362→355→347→412→413→389→443→477→421 ▼

○厚木高校----  403→495→465→471→497→585→513→507→530 △

 

昨年度は10月時点の希望調査で、光陵、希望ヶ丘、鎌倉、大和、横須賀、相模原の6校が近年最多の希望者を集めるなど上位校への希望者集中が顕著にみられました。今年度は、打って変わって上位校への希望者は減少。大部分の高校に減少を表す「▼」マークがつくことになりました。

横浜サイエンスフロンティア高校の希望者は前年より40人以上減り365人。5年ぶりの少なさとなりました。難関大学の合格実績が好調だった半面、中高一貫校化がかなり敬遠を受けた模様です。公立進学校の良さは、国私立高校のような中高一貫校ではないから、全員同じ条件で学校生活がスタートするところです。中学生と一緒の高校生活を快く思わない受験生が多かったのでしょう。数年前に中高一貫校化した市立南高校は、今年度も現段階で定員割れ。超不人気校化しています。横浜サイエンスフロンティア高校も、市立南高校ほど極端ではないにせよ、高校受験の人気がなくなっていく可能性があります。

減少が目立つ中で、多摩高校の希望者が大きく伸びています。前年よりも80名以上増やし607人。この数字は、近年で最多の希望者数となります。新校舎の効果は大きく、高倍率の激戦になりそうです。

ここに掲載されている学校以外での注目校は海老名高校です。地域2番手校ですが、398名の定員に対して1002名という尋常でない希望者が集まりました。全県模試によると、模試段階で第一志望記入者が前年よりも4割増加していたということなので、今年に関しては異常な人気といえるでしょう。前年は1.32倍でしたが、このままでは1.6倍を超える大激戦入試となること必至です。

他にも、市立戸塚高校、金沢高校、新城高校、市立橘高校、上溝高校、藤沢西高校が、倍率2倍以上となり人気を集めました。

一方で、鶴見高校、新羽高校、田奈高校、横浜旭陵高校、瀬谷西高校、横浜緑園高校、保土ケ谷高校、横浜桜陽高校、永谷高校、 金井高校、市立南高校、磯子高校、氷取沢高校、釜利谷高校、大師高校、生田東高校、菅高校、麻生高校、上鶴間高校、城山高校、 相模原青陵高校、津久井高校、大楠高校、逗葉高校、三浦臨海高校、茅ケ崎西浜高校、寒川高校、平塚湘風高校、 二宮高校、小田原東高校、大井高校、大和南高校、綾瀬西高校などは1倍未満で、10月時点では希望者が定員を埋めるほど集まっていません。

希望者が極端に少ない理由は様々で、 田奈高校や平塚湘風高校のような地域で最も偏差値の低い学校を敬遠したり、市立南高校のような中高一貫校を敬遠したり、相模原青陵高校のように将来統廃合で消えてしまう学校を敬遠するといった要因です。

あくまでも10月時点での希望調査結果ですから、今後も希望者数や倍率は大きく動きます。受験生は過度に数字を意識せず、志望校に向かって頑張りましょう。

www.pref.kanagawa.jp

 

 

併願優遇のすべて (東京・神奈川)

高校入試の基礎知識

私立高校が実施する「併願優遇制度」とは?

公立高校や都立高校が第一志望である受験生に対して、滑り止めに利用してもらうために私立高校がおこなっている一般入試の制度を併願優遇と呼びます。以下では、東京や神奈川で併願優遇を実施する私立高校の一般例を説明します。

 

併願優遇を実施する私立高校は、「5教科内申合計が20以上」といった内申基準を出します。この基準をクリアすれば、その私立高校の合格がほぼ保証されます。つまり、併願優遇においては、内申点だけで合否のすべてが決まります。使用される内申点は、中311月ごろに中学校から発表される数値(仮内申と呼ぶ)です。

 

この内申点基準をクリアして、中学校の先生との三者面談で「私立A高校の併願優遇制度を利用したい」と伝え、許可をもらいます。

 

1215日以降には、三者面談の決定事項を踏まえて、中学校の先生が、私立A高校に出向いて、併願優遇を利用する生徒のことを伝えに行きます。これを入試相談事前相談)と呼びます。私立高校側が了承をすれば、この時点で事実上の合格となります。

 

210日以降の私立高校の一般入試日に、併願優遇を利用する生徒は受験をします。ただし、入試相談の時点ですでに合格が確約されているので、不合格となることはありません。つまり、カタチだけの形式的な受験です。その後にある合格発表によって、正式な合格となります。

 

つまり、流れとしては

1.内申点の基準が達している

  

2.三者面談で併願優遇利用の旨を伝える (11月~)

  

3.中学校の先生による入試相談で事実上の合格 (1215日~)

  

4.2月の一般入試を経て正式に合格 (210日~)

というものになります。

 

併願優遇のメリット

・「行く高校がある」という安心感

12月段階で、進学可能な高校を1校確保することができます。「行く高校が確保されている」という安心感を得られることが最大のメリット。受験生は安心して、第一志望の公立高校や都立高校に向けた勉強に専念できます。

多くの公立中学校では、この併願優遇を用いて、高校を確保させることが重要な任務となっています。公立中学校の進路指導では、「進路未決定者」を1人も出さないことが最大使命だからです。「併願優遇で滑り止めの私立を1校確保してくれれば、ほかはどの高校を受験してもかまわない。」と言う先生も多いようです。

 

併願優遇のデメリット

便利な併願優遇ですが、デメリットが数多く存在します。

進学先に対する縛りの規定

併願優遇による受験において、「第一志望の公立高校に不合格であった場合は、必ず本校に入学しなければならない」という規定のある私立高校が多くあります。この場合、併願優遇で受験する私立高校以外の私立高校を併願受験することができません。もしも第一志望の難関公立高校が不合格で、進学先が併願優遇で確保した滑り止めの中堅私立高校となった場合、本人の実力からすると著しく不当な進学先と言わざるを得ません。

ほかに、もっとレベルの高い私立高校を併願で受けたい受験生は、「ほかの私立高校との併願を認めるか否か」の規定を確認してください。もちろん、他の私立高校との併願も認める併願優遇を実施する学校も多くあります。

 

私立高校の生徒層の問題

併願優遇を実施する私立高校は、入学者の大部分が公立不合格組で占められることになります。第一志望ではない生徒が大半のために、高校に対する愛着や愛校心が少ない傾向にあります。また、世間からはどうしても、「○○高校は公立の滑り止め校」というレッテルで見られます。公立の難関高校を目指していたのに、不合格で滑り止めの私立高校に進学した場合、レベルが低いために、自尊心が保てない生徒が多いのも事実として知っておくべきです。

 

非正規教員の比率の高さ

併願優遇を実施する私立高校の教育レベルは、必ずしも高いものではありません。これは、私立高校側はもちろん、学校や塾の先生もあまり積極的に教えてくれない情報です。

そもそも併願優遇を実施する私立高校は、公立不合格者を大量に集めて、授業料をがっつり集めて収入を増やすことを目的にする学校が多いです。それゆえに、生徒数が非常に多い学校が多く、しかも、学年によって生徒数の差が大きく異なってしまいます。このような私立高校は、生徒数やクラス数が読めないこともあって、非常勤講師の比率が高い傾向にあります。(非常勤講師とは、つまりはアルバイトのような先生です)

20121013日の朝日新聞にて、私立高校のアルバイト先生の比率が著しく増えているということが大々的に報じられました。なんと、私立高校の平均して約4割が非正規の教員だというのです。もちろん、これはあくまでも平均ですから、生徒数の不安定な私立高校であれば、もっと非正規教員の比率が高いことは想像に難くありません。(私立高校も、偏差値の非常に高い私立高校や有名大学附属高校は非正規教員比率は低いです)

都立高校は正規の教員の比率が私立高校と比べて非常に低いですから、教員は長期的な視野に立って指導ができます。また指導経験豊富な教員が多いです。非正規教員の多い私立高校では、先生の入れ替われが非常に多く、指導に専念ができません。(私立高校は教員の入れ替わりが少ないというのは幻想です。)さらに付け加えると、併願優遇を実施する私立高校は、もともと商業高校や工業高校であった学校が多く、正規教員といえども、実は大学受験指導の経験のほとんどない先生が多いという事情もあります。

このような情報は、私立高校の学校説明会へ参加しただけでは絶対に教えてくれません。私立高校は、受験生をできるだけたくさん集めて、収入を増やすことを目的としていますから、良い情報や、誇張された情報だけを提供します。私立高校の受験を視野に入れるときは、このような実態も知っておいた上で、冷静に判断したいものです。